第106回全国高校野球選手権青森大会は22日、弘前市のはるか夢球場で決勝を迎える。夏の甲子園をかけて対戦するのは、春の東北大会準優勝の弘前学院聖愛と、選抜ベスト8の青森山田。両校は春の県大会決勝でも顔を合わせ、実力は伯仲している。おたがいに好投手と強打者がそろい、白熱した決戦となりそうだ。(渡部耕平)

 春の県大会決勝では、弘前学院聖愛が6―2で勝った。

 その試合を被安打6で完投したのが、エースの吹田志道(しどう)投手。最速141キロの直球と、同じ軌道から急に落ちる変化球を組み合わせ、的を絞らせない。今大会の投球は5回のみで、体力を温存できている。

 左腕の芹川丈治投手は、エースに匹敵する。3試合(18回と3分の2)を投げて防御率0・48、与四死球0と、安定した制球が続く。

 攻撃では、16盗塁を決めた機動力が武器。カギを握るのは貴田光将(こうすけ)主将だ。6盗塁、打率5割2分9厘は主力として最多。同じ6打点の内山瑛太選手も勝負強い。

 守備は4試合で1失策と堅い。二塁手の田崎光太郎選手はヒット性の打球を何度も好捕しており、心強い。

 青森山田は春の県大会決勝で敗れたとは言え、エースの関浩一郎投手が投げたのは八、九回だけ。その登板では無失点に抑えている。

 関投手は最速147キロの球威で押し、切れのあるスライダーを織りまぜ、打者を手玉に取る。準々決勝の八戸学院光星戦は1失点で完投し、同じ選抜出場校を力でねじ伏せた。

 投手陣は、選抜を経験した桜田朔(さく)投手ら5人と層が厚い。4試合で防御率0・00と、鉄壁だ。

 攻撃の軸は、本塁打2本を放った原田純希(あつき)選手。準決勝の八戸工大一戦では2打席連続で申告敬遠されたほどで、脅威の4番となっている。

 8打点の対馬陸翔(りくと)選手、打率6割の佐藤洸史郎選手をはじめ、攻撃陣には打率4割超が7人いて、打線に切れ目がない。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。