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なでしこジャパンの司令塔・長谷川唯選手(27)は、イングランドのマンチェスターシティWFCに所属していて、2022-23シーズンの年間ベストイレブンにも選ばれました。

まもなくパリオリンピック開幕を控えるなか、内田篤人さんが長谷川選手のテクニックを検証します。

■内田が検証!司令塔・長谷川のテクニック

内田さん
「いろいろ見させてもらっているんですが、前々からこの選手はやばいな、怪物がいるなと思っていたので、きょうはボールを一緒に蹴れるので非常に楽しみにしています」

内田さんも推す“唯一無二のプレーヤー”、なでしこジャパンの長谷川選手は巧みなテクニックを武器に、自らも点をとり、味方を活かす絶対的司令塔です。身長157センチと小柄な体から繰り出されるプレーで世界を驚かせてきました。

見る人を魅了するそのプレーは、一体どうやって生まれているのか。今回は12台のカメラを用意し、長谷川選手の頭の中を内田が紐解きます。

内田さん
「きょうは『特にここがすごい!』というのを長谷川選手に解説してもらいたいと思います。言葉にすると一つ、『相手を剥がす』というのことがずば抜けているなと感じます。『剥がす』ってどういう感じでイメージしていますか?」 長谷川選手
?
「簡単に言うと相手を抜くっていうか、一人ずらしたりとか、相手を置き去りにしたりするっていうことかなと」

「相手を剥がす」とは、ボールを奪いに来た相手をドリブルで抜いたり、味方との連携でかわしたり、置き去りにしたりすること。長谷川選手の相手を剥がすプレーは、何度も攻撃の起点を作ってきました。

なかでも、2022年2月に行われたアジアカップの中国戦。内田さんが、あるシーンを絶賛しました。

センターサークル付近でボールをもらうと、まず左足でトラップ。相手ディフェンダー2人を華麗に剥がし、右サイド前方へパス。この時、どのようなことを考えていたのでしょうか?

内田さん?
「(左足でトラップ・DF2人を剥がす・右サイドへパス)これをゆっくりやってくれたら、僕らもついていけますが、あの限られた時間の中で判断してくというのは、本当にレベルが高いですよね」

長谷川選手にはまず、パスをもらう場面から解説してもらいました。

長谷川選手?
「ここ(センターサークル付近)でもらおうとしていました。右足で。ここ(中央)に入っていこうかなという感覚でいました」 内田さん
「なんで中央なんですか?」 長谷川選手
?
「ゴールに直結するのもあって。シュートまでというところも含めて、中央から攻めたいっていう概念は持っているタイプ」

本当は右足でボールをトラップし、そのままゴールに向かって攻撃を展開したいと思っていた長谷川選手でしたが…。

長谷川選手?
「(センターサークル付近でパスを受けた時)ボールがちょっと左足側にきて。でも、それによって相手が左から来てくれて、それが分かったので、こっち(中央)にターンして」 内田さん
「上手いのよ、このトラップが。ディフェンスは背負われたら(ボールを)のぞいちゃうのよ。これで体を入れられるので、ディフェンスとしては足が出せません。バーンと行ったら、ファールになるので」

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■「日本人の生きる道」頭を使ったプレー

■「日本人の生きる道」頭を使ったプレー

一つ目のポイントは、トラップです。

パスが少しずれたことにより、左足でトラップをして、1人目の相手が食いついてきました。その相手を背負うようにトラップしてターンすることで、まず1人を剥がすことができたのです。

長谷川選手?
「1人目のディフェンスがきた時点で、右サイドが空いている認識はあって。どうしてもあそこ(右サイドのスペース)に蹴りたいという意思はありました」

実は、1人目の相手が食いついてきた瞬間、フリーになっている右サイドの味方へパスを出すことをすでにイメージしていたといいます。

内田さん
「2人目の相手がきますけども、ここもタンタン」 長谷川選手?
「この瞬間はアイデアで抜いた」

二つ目のポイントはアイデア。ターンした先には2人目の相手ディフェンスがいました。味方へのバックパスでプレッシャーを回避してもいいなか、長谷川選手が選んだのは、タンタン。瞬時に思いついたアイデアで剥がします。

こうして2人目の相手ディフェンスも剥がし、右サイドへパスを通しました。相手2人を剥がすのに、ボールを触ったのはわずか3回。これぞ“唯一無二”長谷川選手の剥がすテクニックです。

内田さん
「全部連続しているなかで判断してプレーを選択している。連続が速いし、途切れていないっていうのがすごい」

2024年4月に行われたブラジル戦では、自陣センターサークル付近でボールを受けると、相手ディフェンスが2人寄ってきました。そこで長谷川選手は、味方にパスを出すのではなく、自分1人でディフェンダーを剥がす選択しました。

すると、長谷川選手に相手ディフェンスがもう1人食いつき、フリーになった右サイドの味方にパス。一瞬のアイデアとテクニックを生かした、長谷川選手の相手を剥がすプレーが、得点に繋がりました。

内田さん
「自分のプレーを説明するって、言葉がパッと出てくるということは、普段からどれだけ考えてプレーしてるかということ」 長谷川選手?
「正直、反射でやってるところもあって。でも後で話したら、ちゃんと言語化できるというのは自分のプレーの特徴でもあって。すべてのプレーに意図を持ってやるというのが、自分のプレースタイルなので。それは、すごく意識していること」

このように、常に頭を使ってプレーするようになったのは、長谷川選手ならではの背景がありました。

長谷川選手?
「周りと比べても、背がすごく小さくて。ぶつかると負けちゃうし、周りがうまくて強くてというなかで、当たらないようにと考えたら、自分で工夫するようには自然となったので。やっぱり背が大きくて速かったら、そんなことも考えないでサッカーやってたと思うので。本当に背が大きくなくて良かったみたいな感覚で、今はいます」 内田さん
「すごいね。日本人の生きる道だと思う」

現在、なでしこジャパンで最も身長が低い長谷川選手。小柄だからこそ手に入れた豊富なアイデアと卓越したテクニックで、日本をけん引してきました。

26日に開幕するパリオリンピックで見せたいものとは…。

長谷川選手?
「もちろん優勝は目指しますけど、たくさんの人に見てもらえる舞台。女子サッカーはまだまだ注目度も低かったりするので、そういう意味では、パリ五輪で結果を出さなくてはいけない。自分が楽しみつつも、多くの人に応援してもらえるようなプレーをしなきゃいけないなというのはすごく感じています」

(「報道ステーション」2024年7月18日放送分より)

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