第106回全国高校野球選手権島根大会(島根県高校野球連盟、県教育委員会、朝日新聞社主催)第9日は23日、県立浜山公園野球場で、準々決勝の残る2試合があった。飯南が八回に打者一巡の猛攻で一挙6点を奪い、連覇をめざした立正大淞南に逆転勝ち。開星は1点を争う投手戦を制した。4強が出そろい、25日に準決勝2試合が予定されている。
飯南の4番・迫田来飛(らいと)捕手(3年)が、逆転劇につなげる同点本塁打を放った。
3点を追う八回裏、1点を返し、さらに1死二塁で打席に。「ランナーを絶対かえす」。初球を強振した。狙っていた真っすぐだった。「今までで一番いい感触だった。打った瞬間、スタンドに入ると思った」
ベースを1周し、ベンチにかえると仲間に呼びかけた。「ここからだぞ」。そして「この状況を楽しめ」。主将の役目も果たした。(石川和彦)
昨年の覇者、立正大淞南が終盤に逆転されて大会を去ることになった。
試合後、太田充監督は「難しいですね」。先発のエース島田拓海投手(3年)は制球に苦しみながらも、要所を締めて1失点。継投した2投手も「入り方」は順調だったという。
太田監督は「継投うんぬんというよりは、打線をつないできた向こうが強かった」と相手チームをたたえた。(中川史)
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(23日、第106回全国高校野球選手権島根大会準々決勝 開星2―1矢上)
1点差で迎えた八回、遊撃手として先発していた矢上のエース皆吉赳翔(たけと)投手(3年)がリリーフのマウンドに上がった。最高球速は148キロ。プロ注目とも言われてきた。たちまち2者を連続三振に。九回も先頭から2者連続三振を奪った。
ウェートトレーニングなどで下半身の強化に励み、ピッチングに限らず、打力にも磨きをかけてきた。「球の上をたたき、強い打球を飛ばせるように」。初回に先頭打者で二塁打を放ち、後続のスクイズで生還。「あの1点をみんなで守り切ろうと思ったけど」。甲子園出場はかなわなかった。
尊敬する山本翔監督は、広島カープの元捕手。「(自分も)プロに行きたいと思っています」。(中川史)
開星の1番打者・田村晴天(せいてん)中堅手(2年)が同点の七回表、値千金の適時二塁打を放った。
2死三塁でこの日4度目の打席が回ってきた。外角の直球を左翼方向に流し打った3打席目を評価していた野々村直通監督から、「いい打球を打てていた。前の打席のように」と声をかけられた。
打った球はまたも直球だったが、狙い球はしぼらず「来た球を打とうと思っていた。自然と体が反応した」。打球は左中間に伸び、決勝打となった。(石川和彦)
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