甲子園出場をかけた一戦は、2年連続で広島商と広陵の顔合わせとなった。第106回全国高校野球選手権広島大会の決勝は、27日午前10時からマツダスタジアム(広島市南区)である。「広島の早慶戦」とも呼ばれる伝統の対決を前に、両校のこれまでの戦いぶりを振り返る。(根本快)

広島商、「1点の重み」つなぐ打撃

 強力打線を武器にノーシードから上り詰めた。

 打率4割近くの打線を牽引(けんいん)するのは、4番に座る米田だ。6試合で14打点と勝負強く、4回戦では九回裏にサヨナラ3点本塁打を放った。準決勝で2打点をあげた山崎、打率5割5分で4盗塁の小田が、6、7番打者で控える。

 投手陣は、背番号1の右腕・西川が準々決勝、準決勝で先発し、直球とスライダーを軸に打たせて取る投球を見せた。右腕・菊池は準決勝の九回裏無死一、二塁のピンチで登板し3人で抑えた。

 米田や武部らは昨夏決勝の舞台に立ったが、広陵に2―3で惜敗した。「1点の重み」をチーム内で共有し、つなぐ打撃に徹してきた。

 甲子園で初めて開かれた1924年の第10回全国中等学校優勝野球大会で優勝した広島商。甲子園100周年の今夏、5年ぶりの夏の甲子園を目指す。

広島商の戦績

1回戦 15―0 基町

(二回に打者17人の猛攻で13得点。5回コールド)

2回戦 9―3 広島城北

(三回に6安打を集めて7点。9番打者・綾部が3安打2打点の活躍)

3回戦 13―0 井口

(真鍋、宮内の左腕リレーで5安打零封。5回コールド)

4回戦 5―2 国泰寺

(六回に追いつき、同点の九回裏に米田がサヨナラ3点本塁打)

準々決勝 10―1 海田

(中軸の花本、米田、真田が2打点の活躍。7回コールド)

準決勝 6―3 尾道

(米田、山崎が2打点。九回無死一、二塁で救援した菊池が抑える)

広陵、層の厚い投手陣・打線充実

 層の厚い投手陣で、春夏連続の甲子園を目指す。

 5試合計41イニングで、失点は3。左腕・山口が全5試合に登板し、直球とカーブの緩急をつけた投球で、計34奪三振の好投。エース高尾は準決勝の六回2死満塁で救援し、得点を許さなかった。堀田と、片寄に代わって登録された相原の2年生右腕もいる。

 打線では、6番の世古口が打率5割、9打点と好調。主砲・只石にも一発がある。4試合で初回に得点して有利に試合を進めており、俊足の1番・浜本、2番・田村の出塁が鍵になる。途中出場した選手の貢献度も高く、松村は代打で5打数4安打、空は代走で3盗塁を決めた。

 一昨年の秋以降、県内では公式戦無敗と圧倒的な強さを誇る。2年連続かつ春夏連続の甲子園出場に向けて、余念がない。

広陵の戦績

2回戦 7―0 大竹

(堀田、山口が無安打無得点リレー。8回コールド)

3回戦 5―0 観音

(只石がチーム初本塁打。山口ら4投手のリレーで被安打1)

4回戦 4―0 呉

(世古口が3打点の活躍。高尾が六回途中まで投げ、被安打2)

準々決勝 13―2 総合技術

(六回に打者11人で7安打を集めて6得点。6回コールド)

準決勝 4―1 呉港

(山口が六回途中まで投げ11奪三振。代打・松村が2点適時三塁打)

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