(26日、全国高校野球選手権京都大会準決勝 京都国際11―1龍谷大平安)

 龍谷大平安の主将・藤原一輝さん(3年)は試合後、応援席に向かって一礼すると、こぼれそうになった涙を、腕でぐいっとぬぐった。

 11失点でコールド負け。「悔しいけど、強いなあ」。そんな言葉がこぼれた。

 チームは、準々決勝までの4試合全てで先取点を挙げ、エースの大西伝心さん(同)を中心に無失点で守り切って勝ち上がってきた。

 だが、この日は違った。先発の大西さんが初回、二回に連打などで失点し、二回途中に降板。捕手の藤原さんは、後を託された投手陣に声をかけ、リードにも心を配ったが、勢いづいた相手をとめることができなかった。

 主将で、3番。そして、守りの要のキャッチャー。チームをまとめる責任を感じ、「全員の力で勝ちたい」と、日々のミーティングで一人一人に懸命に言葉をかけた。

 勝ち進むうち、仲間のプレーから「チームのために」という思いを感じることが増えた。

 「チームをまとめる難しさを感じた。自分は引っ張りきれなかった。それでも、みんなは、ついてきてくれた」

 大学に進み、野球を続けるつもりだ。「この悔しさを生かしたい」と前を向いた。(八百板一平)

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