(28日、第106回全国高校野球選手権京都大会決勝 京都国際14―3京都外大西)
夏は、自分がみんなを甲子園に連れて行く――。京都国際の主将で、4番を打つ藤本陽毅(はるき)さん(3年)の打撃には、そんな思いがこもっていた。三塁打1本を含む3安打を放ち、5打点を挙げる活躍を見せた。
昨秋は、ウイルス性肝炎のため、公式戦にほとんど出られなかった。だから、春の甲子園は、仲間に連れていってもらった場所だった。
3―4で青森山田に惜敗した後、主将を任された。チームはその後も力をつけ、春の府大会の決勝で京都外大西を破って優勝。近畿大会も制した。
ただ、追われる立場は、苦しかった。「どこの高校も本気で倒しに来る」なかで、重圧からか、流れがつかめない試合も、思うような打撃ができない時期もあった。
復調のきっかけを求め、朝に夕に、ただ、バットを振り続けた。
転機になったのは、今大会の準決勝の龍谷大平安戦だ。打線が奮起し、17安打11得点でコールド勝ち。自身も二塁打1本を含む4安打を放った。「気持ちがぶれないまま、迎えることができた」という決勝の大舞台でも勝負強さを発揮した。
この手でしっかりとつかんだ夏の甲子園への切符。「うれしい気持ちもあるが、ほっとした。泥臭く勝っていきたい」(八百板一平)
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