■パリオリンピック™ サッカー女子 予選リーグ 日本ーブラジル(日本時間29日、パルク・デ・プランス競技場)
なでしこジャパン(世界ランク7位)は、予選リーグ2戦目でブラジル(同9位)と対戦し、2-1で逆転勝ちした。スコアレスで迎えた後半、ブラジルに先制されるがアディショナルタイムにPKを獲得し、熊谷紗希(33)が決めて1-1の同点に追いつくと、途中出場の谷川萌々子(19)のミドルがゴールに吸い込まれ土壇場でブラジルに逆転勝ちした。これで1勝1敗となった日本の最終戦は8月1日、ナイジェリア(同36位)と対戦する。準々決勝進出に望みをつないだ。
初戦のスペイン戦で逆転負けを喫し、攻守で重要な役割を担ってきたDF清水梨沙(28)が負傷離脱した日本のスタメンはGKに山下杏也加(28)、DFは高橋はな(24)、熊谷紗希(33)、南萌華(25)の3人、MFに古賀塔子(18)、守屋都弥(27)、長谷川唯(27)、長野風花(25)の4人。FWには宮澤ひなた(24)、田中美南(30)と浜野まいか(20)の3人が入った。
準々決勝進出へ勝つしかない日本だが序盤は、ボールを回しながら互いに相手の動きを伺うような展開が続く。前半16分、中央で長谷川がボールを持つと前方へスルーパス。宮澤が反応して抜け出すが、相手DFにクリアされる。その1分後にはブラジルに左サイドを突破されクロスを入れられるなど、徐々に試合が動き出す。
19分、日本はGK山下のロングキックが右サイドの宮澤に通る。宮澤はドリブルからゴール前へグラウンダーのクロスを入れる。フリーの田中がシュートを打つが、ゴール左に外す。中盤を過ぎると、ブラジルにボールを持たれる場面が増える。29分には左サイドからクロスを放り込まれ、こぼれ球を強烈なシュート。これはGK山下が、がっちりキャッチしてピンチを防ぐ。
前半アディショナルタイム、日本にチャンスが訪れる。左サイドでボールを持った田中がワンタッチで前方へスルーパス。抜け出した宮澤が中央へ折り返すと、守屋がシュートを放つ。相手DFに当たるが、ハンドの判定でPKを獲得。キッカーの田中がインサイドでゴール右を狙うが、GKに反応され得点できず。日本は先制のチャンスを逃し、0-0のスコアレスで折り返す。
後半、日本は一瞬の隙を突かれる。11分、ブラジル陣内からの長い縦パスに、日本DF陣は完全に裏を取られる。左サイドで受けた選手がゴール前にパスを出すと、走り込んできた選手にシュートを浴び、ブラジルに1点を先制されてしまう。
日本は果敢にゴールを狙う。22分には、カウンターから左サイドを駆け上がる守屋にボールが渡る。深い位置からクロスを入れると、ゴール前で田中が反転してのシュート。しかしGKにセーブされ、相手ゴールをこじ開けることができない。
それでも後半終了間際、途中出場の谷川萌々子(19)がボールを持ってペナルティエリア内に侵入すると、相手DFが倒れ込む。ボールが手に当たったかに見えたため、VARの結果、日本は再びPKを獲得。主将の熊谷がGKの動きをよく見てゴール右隅に決め、1-1の引き分けに追いついた。さらに谷川のミドルシュートも決まり、後半アディショナルタイムで2点を決めた日本が逆転でブラジルを下した。
試合後、池田太監督(53)は「(先制されても)気持ちを切り替えてしっかり戦ってくれた。交代した選手も自分の役割を全うしてくれた」と選手たちをねぎらった。
2大会連続6回目の五輪出場となるなでしこジャパン。過去最高成績は2012年ロンドン五輪の銀メダル。前回の東京五輪はベスト8で涙を飲んだ。ブラジルとは、過去4度対戦し1勝1分2敗と負け越している。今年4月のアメリカ遠征では、前半に先制したが、後半同点に追いつかれPK戦の末敗れた。
パリ五輪でなでしこジャパン(世界ランク7位)はグループCに入り、7月26日にスペイン(同1位)に1-2で逆転負け、ブラジル(同9位)に2-1で勝ち1勝1敗として、8月1日にナイジェリア(同36位)との最終戦に臨む。グループで上位2チームに入ると準々決勝に進出。各グループ3位チームの中の上位2チームが準々決勝へと駒を進める。
【試合日程】※日本時間
■予選リーグ
7月26日 日本 1-2 スペイン(フランス・ナント)
7月29日 日本 2-1 ブラジル(フランス・パリ)
8月1日 日本VSナイジェリア(フランス・ナント)
*写真は長谷川唯選手
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