第106回全国高校野球選手権長野大会は、長野日大が15年ぶり2回目の優勝を果たして27日に閉幕した。84校73チームが頂点をかけて争った。今大会の選手の活躍や好ゲームを振り返る。
大会は7月6日に開幕した。今年はコロナ禍前の2019年以来5年ぶりに、開会式と同日の開幕試合が開かれた。開幕試合のカードは飯山と下伊那農の1回戦だったが、悪天候のため継続試合に。開幕試合が継続試合になるのは初めての出来事だった。
大会2日目には、部員不足で昨年の出場を断念した須坂が登場した。1年生が主体のチームで、シード校に大差で敗れたものの、アウトを取るたびに球場から拍手が送られた。
今大会では初戦から実力校同士が対戦する好カードが目白押しだった。そのため、シード校が早期に敗退する波乱もあった。昨夏王者の上田西はノーシードの松本国際に完封され、涙をのんだ。第8シードの松本第一も実力校の長野商に初戦で敗退した。大会注目右腕の岩井柊弥(3年)を擁した諏訪清陵は、小諸商に逆転負けを喫した。
8強には公立勢3校と私立勢5校が残った。シード校はそのうち5校。64年ぶりの甲子園を狙った赤穂は、4回戦で第1シードの東京都市大塩尻を破り、底力を見せつけた。赤穂は公立勢として小諸商とともに4強に進出。4強のうち2校が公立勢なのは2021年以来、3年ぶりだった。長野俊英はこれまで、夏の最高成績が4回戦だったが、決勝進出するまでに躍進した。
今春から全国に導入された「低反発バット」の影響もあった。昨夏の大会本塁打数が計17本(柵越え16本、ランニング本塁打1本)だったのに対し、今年は計21本塁打が出た。ただ、そのうち10本はランニング本塁打だった。バットが変わって外野が前進する機会が増えたためとみられる。
例年は東信勢や中信勢が上位をうかがうことが多い長野大会だが、決勝は初めて「長野市勢」同士の対決になるなど、勢力図の変化も見られた。市内対決を制した長野日大は来月7日に阪神甲子園球場で開幕する全国高校野球選手権大会で熱闘を繰り広げる。(高億翔)
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