第106回全国高校野球選手権鹿児島大会は、神村学園の2年連続7回目の優勝で幕を閉じた。74校63チームが繰り広げた熱い戦いを振り返る。
神村学園の強さが際立っていた。昨夏甲子園でベンチ入りした選手が10人いる。第1シードで、唯一2回戦から登場し、決勝までの5試合で計42得点。4番正林輝大選手(3年)を中心に1番から9番まで打線に切れ目がない。足も速く、積極的に次の塁を狙う姿勢が相手守備に圧力をかけ続けた。
一方、失点はわずか3。準決勝では早瀬朔投手(2年)が枕崎を相手に5回を完投、決勝では今村拓未投手(3年)が樟南を完封した。
樟南は昨秋以降の県内大会でベスト4以上に進めず、前評判は高くなかった。しかし犬窪晴人投手(2年)が今大会で経験を積んで成長し、準々決勝でライバル鹿児島実を完封。勝利を呼び込んだ。勢いづいたチームは3年ぶりに決勝へ駒を進めた。
鹿児島城西はノーシードからの4強進出。打線は好機にたたみかける力があり、複数得点を挙げるイニングが多かった。同じくノーシードから4強に入った枕崎も打線が強力。4強では唯一の公立校。全校生徒90人の小規模校が勝ち進む姿は、地域を活気づけた。
ベスト8でみると、ノーシードは5校を占めた。鶴丸は第2シードのれいめいを破り9年ぶりの8強。鹿児島情報は第5シード川内商工を、鹿屋中央は第8シード出水中央を下した。
このほか、新藤颯大投手(3年)を擁して3回戦に進出した伊集院の健闘も目を引いた。
低反発の新基準バットが導入された影響は本塁打数に現れた。昨年の12本に対し、今年は4本。打球が飛ばない分、外野手が前で守るようになり、ライトゴロも記録された。
大会中盤に雨天による3日連続の順延があったが、予備日をあてて、準々決勝以降の日程は予定通り。大会はおおむね順調に運営された。(宮田富士男)
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