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 パリオリンピックのバレーボール男子で、日本はアルゼンチンに勝利しました。元日本代表の栗原恵さんが石川祐希選手のフェイクセット、次のアメリカ戦の見どころを解説します。

■脅威!石川のフェイクセット

(Q.アルゼンチン戦は、どのようにご覧になりましたか?) 栗原さん
「サーブやブロックなど、良いプレーがたくさんあったのですが、やはり細かくて、正確性のある駆け引きがよくできていた試合だったと思います」

(Q.その駆け引きとなる石川選手のフェイクセットについて伺います。石川選手がスパイクを打つかと思いきやトスを上げて、最後に西田選手がしっかり決めました。どのタイミングで判断をしているのでしょうか?)

栗原さん
「石川選手はまずスパイクを打つ助走の段階で、相手のブロッカーを見て何枚(何人)自分についているかというところも見ながら、『右の方が空いてる』ということで、西田選手にトスを持っていったという非常に高度なテクニックです」

(Q.トスを上げる選手とアタックを打つ選手は、どのようにコミュニケーションをとっているんですか?)

栗原さん
「西田選手も石川選手がボールを触る瞬間にトスが上がる可能性があるだろうなということも、既に分かって準備をしている。こういうのは普段の練習の中でずっとやっているからこその、阿吽(あうん)の呼吸だと思います」

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■“グー”ブロックとは? 栗原さんが解説

■“グー”ブロックとは? 栗原さんが解説

(Q.どのようにして、“グー”ブロックが生まれたのですか?) 栗原さん
「ブロックというのは、基本的には手を大きく開いて、ボールを包み込むようにして押さえ、相手のコートに落とすというのが基本のブロックです。高度な相手ほど、指先を狙って上を狙ってきます。日本のコートのエンドラインを超えて、レシーバーも誰も触れないので、相手のポイントになるというブロックアウトを狙います。石川選手はブロックをしながら、『指先を狙われる』なと瞬時に判断してグーに変え、指先分のアウトになって、日本のポイントになったのが、アルゼンチン戦のプレーでした」

(Q.理論は分かりましたが、どのように判断をしていますか?)

栗原さん
「これも、ブロックをしながらトスの状況、相手の体勢、相手の目線ですね。指先をきっと狙ってくるので、目線は指先に行くんですよ。そうなると、少しテイクバックも広くなっていく。そうすると、石川選手はこのボールはきっと上を狙われるということで、手を引く選手は一般的に多いんですが、そこをグーにして、指先の本当に緻密なところで勝負をしていたというのが、アルゼンチン戦の戦い方です」

(Q.引くだけではなく、グー。わずかな差ということですね。いよいよ3日、アメリカ戦が行われますが、注目ポイントは?)

栗原さん
「アメリカは非常に強くて、サーブもブロックもいいので、日本がアルゼンチン戦でやったように、本当にレシーブで緻密に取っていって、そこから攻撃展開を多く増やしていくというところが、勝負につながってくるかなと思います」

(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年8月1日放送)

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