サニブラウン「差は縮まっているが…」

サニブラウン アブデル・ハキーム選手は「こういうところでしっかり、もっともっと出していかないといけない。アップも調子がよくて、全部出し切る勢いでスタートしたが、最後にうまくまとまりきれなかったのが失速のきっかけになったと思う」と悔しそうな表情を浮かべました。

そのうえで「差は縮まっているが、世界のみなさんもどんどん先に行っているので、少しずつ追いつくだけでは足りないと身にしみて感じた」と話していました。

「暁の超特急」超えはならずも…

3組のそれぞれの1着の選手がいずれも9秒8台のタイムをマークする高レベルの争いとなった男子100メートルの準決勝。サニブラウン アブデル・ハキーム選手は9秒96の自己ベストをマークしたものの、決勝進出には届きませんでした。

3年前の東京大会、100メートルでは出場を逃し、出場した200メートルでも予選敗退に終わったサニブラウン選手にとって、オリンピックの準決勝は初めての舞台です。

東京大会後、サニブラウン選手は2022年と2023年の世界選手権で2大会連続で入賞を果たすなど世界トップレベルの舞台で実績を重ねてきました。

パリ大会の前には3年前から何が変わったのかを尋ねると「走り方、体格、体との向き合い方などすべてが違う。あくまで目標はメダルだ」と高い目標を見据えていました。

技術面での変化の1つが、課題としていたスタートです。
スタートでうしろに構える左足を前に出す際に、わずかに外側に開くクセがあることに気付いたといいます。100分の1秒を競う短距離では、このわずかな「むだな動き」が勝負を分けます。
今シーズンはこの部分を意識的に矯正したフォームで「いい感じに加速でき、完成に近づいている」とよりスムーズなスタートに手応えを感じていました。

技術面だけでなく、日々のコンディショニングでも専属の栄養士をつけて整った食事をとるなど「プロ意識が変わった」とこだわりオリンピックに照準を合わせてきたサニブラウン選手。
1932年のロサンゼルス大会で6位入賞を果たし「暁の超特急」とよばれた吉岡隆徳さん以来の決勝進出はなりませんでしたが、オリンピックの舞台で自己記録を更新し、さらなる高みを目指します。

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