男子フルーレ団体で史上初の金メダルを獲得するなど大躍進を遂げたフェンシング日本代表。どうしてこんなに日本のフェンシングは強くなったのか、ロンドンオリンピック男子フルーレ団体で銀メダルを獲得した三宅諒さんに伺います。
■「シナジーを生む」個人での実力、団体にも影響
(Q.男子フルーレ団体の後輩たちが金メダルを取りましたが、どうご覧になりましたか?)
三宅さん「やはり、チーム一丸となって45点をつないでいった様子というのは、ドキドキというよりかはもう、ワクワクでしたね。それくらい、揺らがない。しっかりと1点1点着実に積み重ねたっていう様子が現地から伝わってきました」
今回金メダルを獲得したわけですが、ここでオリンピックのメダルの歴史振り返っていきます。
初めてのメダルが2008年北京オリンピックの時の太田雄貴選手でした。それから4年後ロンドンの時は三宅さんもいた男子フルーレ団体で銀メダルとなりました。ただ、リオデジャネイロオリンピックではメダルなし。そして前回大会、東京の時には男子エペで金メダル獲得しますが、数は1つのみ。それが今回パリではなんと、5つ。(Q.三宅さんはこの数は予想していましたか?)
三宅さん「いや全然しなくて、これだけ見ちゃうと何か今まで何してたんだよって(笑)本当にうれしい誤算でしたね」
(Q.どうしてこんな強くなったのでしょうか?)
三宅さん「やっぱり、今までの積み重ねっていうのは当然ありますけれども、今回、個人での実力っていうのが結構高くなってきて。江村美咲選手しかり、加納虹輝選手、他の人たちが個人ランキングは結構上がってきたというところでも、団体に良い影響だったのかなとは思っております」 (Q.例えばコーチが新たに加わったことであったり、さらに練習場が国内で広がっていったこともありましたけれども、三宅さんが考える強くなった一番のポイントは何でしょうか?) 三宅さん
「練習場の拡充というところを見ると、今までは本当にばらばらな所でやって来て。30面というので結構、(フルーレ・エペ・サーブルの)種目ごとに前はいろんな所でやってたんですけど、一緒にやるっていうことで、他の種目が良い結果出したりすると、そこだけざわつくわけですよ。例えばサーブルの江村選手が世界選手権2連覇したとかなると『サーブルちょっと盛り上がってんな』とジェラシーがあったりとか。そういったところで、シナジーを生むというか。本当に切磋琢磨してやっていけたかなって思います」
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■ルペシュコーチは「まだ強い」■ルペシュコーチは「まだ強い」
(Q.フランス人コーチが加わったことに関してはどうですか?) 三宅さん「エルワン・ルペシュコーチが、来てくれたっていうところでかなり大きいんですけれども、それまででも今サーブルにはジェローム・グースコーチであったりとか、女子フルーレのフランク・ボアダンコーチもフランスの方なんですね。そのフランスの方が入ったことによって、合宿したくても練習場を探すのが大変なんですけれども、ヨーロッパへのコネクションがあるので、今回のパリオリンピック前のフランス合宿はストレスなくコーチがアテンドしてくれてるような状態になるので、競技に集中できたのかなと感じてます」
(Q.世界的に影響力のあるルペシュコーチを、なぜ日本のコーチとして招聘(しょうへい)できたのですか?)
三宅さん「いやこれはもう、何か謎なんですけど(笑)よく来てくれたなっていうのは本当に思います。いらしてから数年経っているんですけれども、引退してから本当に直後に『ルペシュコーチが来るぞ』『良いんですか?』という感じで」
「実際来てみて最初は結構、選手選手した感じだったんですけど、この数年の時を経て、選手とコーチとしてちゃんとコミュニケーションを取れるようになって、円熟したチームになったのかなと感じてますね」
(Q.ルペシュコーチは東京オリンピックで金メダルを取って、それからすぐコーチとして来てくれた)
三宅さん「まだ強いんですよ。だからたまに、飯村一輝選手とかに勝ったりとか。一緒に練習して、お楽しみ会みたいな感じでたまにふらっとやってやってみて、そしたら勝ったりとかしちゃうので。まだまだ強くなれるんじゃないかと思っています!そういうコーチです」
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年8月5日放送)
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