元日の能登半島地震で被災した石川県輪島市の県立輪島高校野球部が5日、福島県会津若松市で会津北嶺高校と交流試合をした。5月に輪島市へ遠征した同校野球部が、被災した選手らに思う存分野球を楽しんでもらおうと招待した。両校選手とも、ベンチから盛んに声を出し、ユニホームを泥だらけにして対戦した。

 遠征中に会津北嶺は甲子園出場校との練習試合のほか、輪島市で被災家屋からの家財運び出しなどのボランティア活動をした。渡部智大選手(1年)は「家や道路が壊れていて想像以上に大変そうだった」と話す。

 グラウンドに大きな亀裂が入り練習もままならない輪島野球部の実情を知った会津北嶺の野球部顧問、新田恭平さん(36)が、福島への招待を提案し、交流試合が実現した。

 輪島は今夏の石川大会で1回戦コールド負けだった。新チームとなり、1、2年生ら約20人が4日に会津若松入りした。5日の試合は会津北嶺が序盤に先制したが、輪島が終盤、足技をいかして好機に着実に得点を重ね、4―1で勝利した。

 試合後、田屋魁人選手(2年)は「今もグラウンドが完全復旧していないので、土のグラウンドは気持ちよかった」、二木悠太郎選手(同)は「招待してもらった感謝の気持ちをプレーで表したいと思いながら試合ができた。勝ててうれしい」と話した。

 新田さんは「伸び伸びとプレーする選手の姿を見られてよかった。少しでも役に立てたならうれしい」と話した。輪島の選手は7日まで県内で合同練習や市内観光をし、交流を深める。

 輪島の選手の宿泊費など費用の一部をまかなうため、会津北嶺野球部は協力金を募っている。目標は100万円で、1口5千円。振込先は「東邦銀行 滝沢支店 普通預金 420952」、口座名義は「会津北嶺高校野球部」。(斎藤徹)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。