オリンピックで初めて行われた混合競歩リレー。

メダル獲得を目指した日本チームが勝負のカギを握ると考えていたのがリレーならではのインターバルの過ごし方でした。

男女のペアが10キロほどの距離を交互に2回ずつ歩く混合競歩リレーでは1回目と2回目の間に個人種目では経験することのないおよそ40分間の待機時間があります。

去年、国内で初めて行われた混合競歩リレーの国際大会に出場した高橋和生選手は「インターバルでは体を休めることを大事にしていたが、それが逆効果だった。筋肉が固まってしまい、いざスタートすると体が動かない感じだった」と振り返ります。

そのため、インターバルの過ごし方としてジョギングなどで動き続けることで2回目もスムーズに歩くことができるという経験を日本チームのメンバーに伝えたといいます。

また、パリの夏の暑さを想定して科学的なデータに基づく対策も進めてきました。

ことし4月にトルコで行われた国際大会では科学委員会のメンバーがインターバルの際に各選手の心拍数や血糖値、そして疲労度などを測定しました。

そして、個々のデータをもとに選手を回復させた状態で2回目に送り出すためにはどれくらい体温を冷やして、どの程度の糖分を摂取させるべきかなど必要な対策を分析したといいます。

日本陸上競技連盟科学委員会の杉田正明委員長は「40分の過ごし方については何度もシミュレーションをして各選手にあった過ごし方を構築するべきだ」と説明しました。

日本陸上競技連盟の今村文男シニアディレクターは「インターバルで休みすぎないということなど日本チームで情報共有してだんだんとアップデートされてきた。暑さ対策も含めて準備できる状況だ」と手応えを口にしていました。

チームで取り組んできた日本はその成果を発揮しようと本番のレースに臨み、初めての種目で8位入賞を果たしました。

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