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 ドジャースの大谷翔平選手が、3試合ぶりとなる36号ホームランを放ちました。過去にわずか5人しか達成していない偉業「ホームラン40本と盗塁40個」が、現実味を帯びてきました。

 元メジャーリーガーの五十嵐亮太さんに聞きます。

■大谷選手が調子を落とした理由は?

 まずは、日本時間13日の大谷選手のホームランを振り返りましょう。スリーボールからの4球目を打ち返した36号ホームラン。これは、どのように感じましたか?

五十嵐さん
「アウトコースへの難しいボールでしたが、うまく打ちましたね。大谷選手はここまで調子を落としていたのですが、きょうのホームランは、とても良いものでした」

 今シーズンの大谷選手はナショナルリーグでトップのホームラン数を誇り、打点でも2位につけています。打率は3位ですが3割を切り、8月だけでみてみると1割台となっています。なぜ、調子を落としてしまったのでしょうか?

五十嵐さん
「後半に入ると、『大谷選手が、どこが打てないか』が明確になってきています。各チームは、特にインコースや高めのボールで攻めてきます。見逃してもいいかなというコースのボールも打ちにいってしまうことで、打率が低下してしまいました。今後、その辺りの見極めも大事になってくると思います」

 それだけ大谷選手が、研究されているということでしょうか?

五十嵐さん
「されています。あと、ピッチャーもコントロールよく、(大谷選手の苦手な場所に)投げ込めています。ですので、ストライクゾーンいっぱいいっぱいであったり、厳しいコースであったり、そうした場所に投げることで、大谷選手が外角を遠く感じてしまう。両サイドをうまく投げ分けられた結果、打率が落ちてきたと思います」

 それでも、ホームラン数は2021年のMVPを獲得した時とほぼ同じペースです。今シーズンは36本で、2021年と比べ2本差となっています。どうして、ホームランは打てているのでしょうか?

五十嵐さん
「大谷選手は元々ホームランバッターで、甘いコースのボールをしっかりと捉えています。ただ、ボール球にも手を出してしまっているため打率が上がらない。本来の大谷選手は、ホームランを打ちながらヒットが打てる。出塁もするし、スチールもできるというスタンス。難しいボールに手を出してしまいますが、ピッチャーも常に良いボールは投げられません。甘く入った球を見逃さずに打っているという形です」

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■「40-40」の偉業は達成できる?

■「40-40」の偉業は達成できる?

 日本時間13日の試合でホームランを打ちましたが、ここから調子が上がって行くのでしょうか? 五十嵐さん
「きょうの打席は非常に良かったと思います。良いボールをホームランにすることができましたし、なおかつ反対方向に運べました。さらにその後の打席で、フォアボールを選ぶことができたのも、ボール球の見極めが良くなっている証拠です。フォアボールが増えれば、打率も必然的に上ってきますので、きょうのような打席をどれくらい後半戦で増やせるかが、大事になってくると思います」  また、ベッツ選手の復帰も大谷選手にどのような影響を与えていますか? 五十嵐さん
「ベッツ選手は元々1番、大谷選手が2番です。大谷選手の前にベッツ選手がいるおかげで、打率や打点がうまく上げられていました。それが、大谷選手が1番打者になることで、前にランナーがいない状態で打つことが増えます。打点ということを考えると、大谷選手はベッツ選手の後の打順で打ったほうが増えると思います。ただ、チームにとってベッツ選手の存在は大きく、きょうも復帰していきなりホームランを打ちましたので、チームの雰囲気はとても良いと思います」

 そして、過去5人しか達成していない「ホームラン40本と盗塁40個」、40-40(フォーティフォーティ)も現実味を帯びてきました。この偉業を達成できるでしょうか?

五十嵐さん
「現実的になってきましたね。すごい数字なのですが、大谷選手なら可能性は十分にあると思います」

(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年8月13日放送)

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