(14日、プロ野球 広島東洋カープ4―3横浜DeNAベイスターズ)

 「感無量です」。逆転サヨナラ3ランを放った広島の菊池涼介は、興奮さめやらぬ表情で語った。

 2点を追う九回。次打者席にいたとき、フルスイングを心に決めた。無死一、二塁で打席に立っていた中村奨成に犠打のサインが出なかったからだ。

 中村奨は左飛だったが、「バントじゃないということは、『どんどん行け』という監督の意思表示だと思った。僕も、どんどん行きました」。

 1ボールから3球連続ファウルのあと、5球目の外角149キロを引っ張った。2015年5月のヤクルト戦以来となる、自身2本目のサヨナラ本塁打。生還後は新井貴浩監督たちと抱き合って喜んだ。

 この夜は、恒久平和を願う「ピースナイター」の開催日だった。

 34歳は「広島ならでは、かもしれませんけど、僕も広島に来て13年目。このチームに来て、改めてそういう思いなどを学んだつもりだし、そんな特別な日に、こういう勝ち方が出来て良かったと思う」。

 七回には、通算300二塁打も放った。「たまたま同じ日。歴代の監督に使っていただいて、みんなに感謝したい」と表情を崩した。

 この日までの9連戦を5勝3敗1分けで乗り切った。

 逆転劇で締めくくり、「でかいですね。劣勢だったけれど、本当にみんな最後まで諦めなかった」と菊池。

 新井監督は「ピースナイターで広島にとって特別な日だった。その日に劇的な勝利。最高の1日だった」と喜んだ。(上山浩也)

 ▼菊池(広)が通算300二塁打 14日のDeNA戦の七回に山崎から放って達成した。プロ78人目。1625試合で達成は、2005年前田智徳の1655試合を抜いて球団最速。

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