引き分けをはさんで6連勝中(4月22日時点)の阪神タイガース。クリーンアップの復調やホーム・甲子園での戦い方など、連勝の理由について、4月22日、矢野燿大前監督が解説しました。“神走塁”や「捕手併用」についても言及しています。

「大山のヒットの打球がセンター方向に飛んでいる。状態がかなり上がってきた」

―――阪神タイガースの強さを感じた中日3連戦(4月19~21日)でしたが、いかがだったでしょうか?

「今まで打線が打てなかったんですけど、大山、佐藤をはじめ、みんな打ち出しました。大山のヒットの打球がセンター方向に飛んでるんですよ。ホームランもセンター方向、ヒットもほとんどセンター方向なんです。センター方向に打球が飛び出したら、状態がかなり上がってきたということなんです」

―――ここまで苦しんでいた大山選手ですが、何かきっかけをつかんだのでしょうか?

「オープン戦の最後、ちょっと体調が整ってなくて、休んでいて、実践から少し離れてたんですけど、試合でいろいろ試す中で、自分の中で『これだ!』という感じが出てきたと思うんですよね。だからバットが内側から出ていますし、これから状態が上がっていくんじゃないかなと思います」

―――14日の中日戦では、打順をガラッと入れ替えて勝ちました。そこから少し雰囲気が変わったような気がしますね。そして、また打順を元に戻しましたが、その点についてはいかがですか?

「僕も監督をやらせてもらいましたけど、あれだけ打順を変える岡田監督はすごいなと思いますし、それをまた去年のオーダーに戻したところもさすがだなと思いますね。あれが分岐点だったかもしれないですね」

『森下・大山・佐藤』クリーンアップ復調が連勝の力に

―――6連勝の理由として、まずはクリーンアップの復調。森下・大山・佐藤が繋がっているのが大きいのでしょうか?

「森下は打率があまり上がっていなかったんですけど、森下で勝っている試合も結構あって、ポイントで森下はいい働きをしてくれました。ヒットもホームランも増えだしてるので心強いですよね」

―――森下選手の打率は2割3分9厘、打点13。19日の試合で第4号ソロホームランを打ち、ホームラン数はセ・リーグ1位タイです。そして6試合連続ヒット。今まで良い場面で打ちながら、なかなか打率が上がってきませんでした。

「凡打の内容はそんなに悪くないので、ここから上がってくると思います」

―――大山選手は、19日に待ちに待った第1号のホームラン。そして2試合連続の3安打。ヒットもしっかり打っています。

「みんな打ち出したとはいえ、まだ打率が2割ぐらいですから、まだまだ上がると思います」

―――そして5番の佐藤選手ですが、18日にサヨナラタイムリーがあり、21日は3号3ランホームランが出ました。

「いいじゃないですか。佐藤はいっぱい三振もしますけど、そういう振り幅もタイガースファンの皆さんにとって、魅力だったり。『おい、輝!何してんねん!』みたいな部分もあると思うんですけど、これは佐藤の魅力なので。ストライクさえ打てば、打てるバッターですから」

―――三振は仕方ないけれど、一発の魅力がある選手ということでしょうか?

「いろんなタイプの選手がいるので。佐藤は将来4番になるぐらいの選手に育っていってほしいです。魅力ありますよ」

地の利を生かして戦える“ホーム”甲子園 練習やアフターケアなど自分のリズムでこなせる

――連勝の理由、2つ目ですが、甲子園での6連戦だったことだと。本拠地での試合というのは、ホームのチームにとって有利に働くのでしょうか?

「早く球場に行って練習できますし、体のケアもできます。あと、家族のもとに戻れたり、自分の車で球場に行けたり、ホームゲームの日は自分のリズムで過ごせるので、いろんなことがやりやすく、戦いやすいですね」

―――練習の時間が長いというのは、自分で練習の時間を調整しやすいということですか?

「調整しやすいですし、ナイターが終わった後に室内練習場でバッティング練習をしたりもします」

―――試合が終わってからも練習をするのですか?

「やります。選手にもよるんですけど、『ちょっと感覚が良くなってきたな』と思ってやる選手もいますし、『何かつかみたいな』と思ってやる選手もいます。甲子園でのホームゲームはそういうメリットがありますね」

相手チームが嫌がる阪神ファンの大声援は「めちゃくちゃ力になります」

―――そして、選手にとってファンの大声援も大きいのでしょうか?

「これはもう、めちゃくちゃ大きいですし、甲子園ならではの雰囲気があるので。ただ、応援してもらうということは、逆に、負けてるときは…。でも大声援はタイガースにとってはプラスで、対戦相手が嫌がります。『甲子園はやりにくいなあ』と、相手チームは思っているので。タイガースファンの皆さん、めちゃめちゃ力になってくれています」

―――矢野さんの現役時代、中日ドラゴンズ在籍時、甲子園での試合はやりにくかったですか?

「やりにくかったですね。いろんなヤジが飛んできましたしね。満塁になって、ピッチャーがフォアボールを出したりすると、すごいムードになるので、すごい力になっていますよ」

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