(23日、プロ野球 東北楽天ゴールデンイーグルス2―1埼玉西武ライオンズ)

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楽天の辰己涼介

 外野手で過去3季、ゴールデングラブ賞に輝いた「守りのスペシャリスト」が、打撃でも覚醒しようとしている。楽天の辰己涼介だ。

 一回、2死走者なしから西武先発・松本の初球をとらえ、中堅右へ先制の5号本塁打。「基本的に1打席目の初球は振らないが、第六感がこう、体が勝手に動いた」。移動日だった前日は西武戦を家族で観戦し、英気を養っていた。

 試合前まで打率はリーグ3位の2割9分2厘。特筆すべきは俊足を生かした三塁打が12球団最多の11本を数えること。後藤打撃コーチは「今年は逆方向へ、うまく打てるようになった。それだけボールを引きつけている」と成長を認める。当人は「技術的にここがどうこう(悪い)というのは見当たらない。調子をキープし、もっと良くしていきたい」。

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一回表楽天2死、辰己涼介は中越えに先制本塁打を放ち、チームメートに迎えられる=日刊スポーツ

 感謝の思いも忘れていない。2018年秋のドラフト会議で4球団が「外れ1位」で競合した際に交渉権を引きあて、昨季まで3年間監督を務めた石井一久さんへの思いだ。「我慢して使い続けてくださったのが、やっと可視化されてきた」。とっぴな言動で話題を振りまく時もあるが、素顔は殊勝な27歳だ。(笠井正基)

藤井が「らしい投球」

 今江監督(楽) 藤井が1カ月ぶりの白星。「らしいピッチングというか、ぴりっとしないぐらいが粘り強く投げている感じがした」

4連勝

楽天が4連勝。一回、辰己のソロで先制し、四回に小郷の適時打で加点した。6回無失点と好投した藤井が8勝目。西武は4連勝ならず。

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