23日、第106回全国高校野球選手権大会の決勝が行われ、京都国際が史上初の決勝戦でのタイブレークで関東第一を下し、初優勝を飾りました。熱戦を投げぬいた両校のエースが胸に秘めていた思いとは―
■4イニングで交代も…「このチームならやってくれる」
夏の甲子園で初優勝を果たした京都国際。エース・中崎琉生投手(3年)が口にしたのは仲間への思いでした。
中崎投手「準決勝で自分が不甲斐ないピッチングをしてしまったんですけど、チームのみんなが助けてくれて、この決勝の舞台で自分がマウンドに上がれて、みんなに恩返しの気持ちをもってマウンドに立とうと思って投げました」
実は中崎投手、準決勝の勝利後に涙を流していました。
古田敦也さん「それは何の涙だったんですか?」 中崎投手
「この仲間と本当に日本一を取りたいという思いがあったから、あの涙が出たと思います」
中崎は甲子園で2試合完投し、迎えた準決勝。早々に2点を奪われ、まさかの4イニングを投げ、交代。それでも…。
実況「3塁ランナーが勝ち越しのホームに帰ってきました!」
6回に打線が奮起し、この回3点をあげ逆転に成功します。
中崎投手「このチームならやってくれると信じてベンチで見守っていて、本当にみんなやってくれましたし、感謝の気持ちでいっぱいです」
仲間たちがつなぎ、つかんだ決勝。先発を任されたのはエース中崎投手でした。
9回無失点の快投。エースとして日本一に貢献しました。 中崎投手「本当にみんながチームのためにということを思ってプレーしていましたし、守り抜いたからこその日本一だと思うので、本当に良い仲間に恵まれたなと思います」
次のページは
■見守る母 「長い夏休みをありがとう」■見守る母 「長い夏休みをありがとう」
一方、準優勝の関東第一、エース・坂井遼投手(3年)は恩返しを胸に臨んだ夏でした。
坂井投手「小さい頃から母一人で自分を育ててくれたので。母がいなかったら野球もできていませんし、大事な存在です」
女手一つで育ててくれた母・一恵さん。幼い頃から野球の練習に付き合ってくれました。
そんな最愛の母に、送った手紙があります。
そこにはたくさんの「ありがとう」が詰まっていました。
いっぱい仕事をしてくれてありがとういっぱい叱ってくれてありがとう
生んでくれてありがとう 一恵さん
「もう泣きましたよ。お互いに刺激し合いながら私も成長させてもらったみたいな感じですかね。本当に宝物です」
二人三脚でたどり着いた甲子園の決勝。
7回から登板すると、9回まで無失点で今大会防御率0.00。延長タイブレークへ突入した10回、ノーアウト満塁の大ピンチを背負うと、スタンドでは母・一惠さんが祈るように見守ります。一恵さん
「この先、全部悪いことを引き受けるから今だけチャンスを下さい」
「押し出しのフォアボール!延長10回京都国際が先制」
惜しくも届かなかった頂点。それでも…。
一恵さん「私にはもう、100点満点です。一生忘れられない長い夏休みをありがとうございます」 坂井投手
「優勝できなかったんですけど、後悔はないので。(母に)ありがとうございますと伝えたい」
(8月25日放送「サンデーLIVE!!」より)
この記事の写真を見る鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。