第69回全国高校軟式野球選手権大会(日本高校野球連盟主催、朝日新聞社、毎日新聞社など後援)は30日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場で決勝があり、中京(東海・岐阜)が2―0で仙台商(東東北・宮城)に勝って、第62回大会~64回大会以来となる2度目の3連覇を果たした。大会最多を更新する13度目の優勝。仙台商は初優勝に届かなかった。

 泥臭く好機を生かす中京が3連覇を果たした。三、四回の得点はいずれも1死で三塁に走者を置いた場面から。軟式特有の打法「たたき」で1点をもぎ取った。

 三回は1番垣内、四回は5番田口が打球を大きく弾ませ、内野ゴロで走者を生還させた。準決勝で19得点と攻撃力はある。しかし、わずか2安打でも勝ちきれるしぶとい攻めこそ強さの源だ。

 中京にとって決勝はコロナ禍で中止になった2020年を挟んで7大会連続だった。とはいえ、選手は毎年違う。今年のチームは昨夏の連覇のあと、秋の東海大会決勝で敗れてからの出直しだった。

 1年時から背番号を付け、ベンチで連覇を経験してきた主将の清水隆は「焦ったけれど、そこから全員で1勝ずつと思ってやってきた」。3連覇への重圧を全員ではね返し「安心しました」。

 次は、後輩が史上初の4連覇に挑む。「もっとプレッシャーがかかると思うけれど、自分たちを信じてやれば絶対にできる」とエールを送った。(上山浩也)

 六回1死一塁で救援した仙台商のエースで主将の佐々木大輔は「自分が抑えて流れを呼ぼうと思った」。丁寧にコースを突いて無失点で切り抜けると、七、八回も完璧に抑えた。昨秋は県大会で初戦敗退。全国準優勝まで成長したチームを振り返り、「相手の底力にやられたけど、自分たちの力は最大限出し切れました」とさわやかに語った。

 西山監督(仙) 初優勝ならず。「五回1死二、三塁で1点取れていればと思うが、仕方ない。学校としても新しい一歩を踏み出せた」

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