秋季東北地区高校野球青森県大会の準決勝が23日、八戸市長根公園野球場であった。八戸学院光星は3―1で弘前工を退け、青森山田は4―2で弘前学院聖愛に逆転勝ちし、それぞれ決勝進出と東北地区大会出場を決めた。24日は同球場で、八戸学院光星―青森山田の決勝と、弘前工―弘前学院聖愛の3位決定戦がある。東北地区大会には上位3校が出場する。

 二塁打、三塁打、そして適時打。弘前工の中沢奎斗(けいと)選手(2年)は長打力と勝負強さが光った。

 まずは四回に二塁打。内角の直球を引きつけて、三塁線を破った。次は六回に三塁打。外角の直球を振り抜き、中越えに。最後は八回。中前に適時打を打ち、チーム唯一の得点をもぎ取った。

 「前の打席で直球を打ったので、次は変化球が来ると思ったのです」。読みもさえていた。

 確実に芯でとらえる打撃の特徴は、投手側に向けた左足を上げずに打つ「ノーステップ打法」にある。

 昨年までは、左足を上げてタイミングをはかっていたが、なかなか球が前に飛ばなかった。今年から打法を変えてみると、軸が安定し、体が開かないことに気づいた。

 「打つポイントまで、球を引きつけることができるようになりました」

 この日、3安打1打点。チームは惜敗したが、相手の八戸学院光星のお株を奪うような強打で、存在感を放った。

 3位決定戦に向けて「全打席で強い打球を打ちたい」と意気込んだ。(渡部耕平)

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