東アフリカのウガンダ出身 カスンバ・デニスさん
シーズン中は監督の自宅で寝泊まり
カスンバ選手 過酷な生い立ち
夢に挑み続けるカスンバ選手 ある特別な思い
21歳のカスンバ選手。独立リーグ・北海道ベースボールリーグの「旭川ビースターズ」に所属しています。ポジションはキャッチャー。レンガ投げで鍛えた強肩で球場を沸かせます。
カスンバ選手「大谷翔平さんがプレーした北海道で野球ができてうれしいです。夢は日本のプロ野球やアメリカの大リーグの選手になることです」
ファンの女の子「優しい。有名なキャッチャーになってほしい」
ファンの男性「今回の応援が3回目なんですけれど、大好きで大好きで。カスンバ選手みたいに志を高く頑張っていきたいなと思って刺激を受けています」
カスンバ選手、シーズン中は監督の自宅で寝泊まり。家の中でも独自のトレーニングは欠かしません。
寝るのは押し入れの中。床から高い場所がお気に入りです。
土肥翔治監督「風呂場でやっていたトレーニングは知らなかった。本当に自分にいいかどうかも考えながら工夫しながらやってるので、そこはもう好きなようにやってもらえたらなと思います」
明るく前向きなカスンバ選手ですが、その生い立ちは過酷です。父親は内戦で亡くなり、母親は子どもを捨てて家を出てしまったため、カスンバ選手は兄弟とともに、祖母のナンテザさんに育てられました。生活は苦しく、8歳のころから食肉処理場で働くなど、家族のために食費を稼いでいたといいます。
この日、祖母のナンテザさんと久しぶりに話しました。日本での暮らしや試合で活躍したことなどを、いつもの明るさで伝えていました。しかし、電話が終わると…。
カスンバ選手「ウガンダでつらい仕事をして過ごした日々を思い出しました。愛する家族がお金がなく食事もできないのに、助けることもできず、自分は日本で安全で楽しい生活ができていることが苦しい。でもここで努力をするしかありません」
大リーグの選手になる夢に挑み続けるカスンバ選手。そこには、ある特別な思いがありました。
コーチの田中勝久さんです。ウガンダ代表チームの監督を務め、10代の頃からカスンバ選手を指導。その強い思いを感じ、日本に連れてきました。
田中勝久コーチ「自分だけがヒーローになりたいんじゃなくて、より多くの若い子たちにもっと自分が前に出てチャンスを広げていきたいという思いは僕は感じます。夢ってかなうんだなっていうのをウガンダの子どもたちに与え続けてほしいなと」
ウガンダで、子どもたちに野球を教えていたカスンバ選手。夢をかなえることで、子どもたちの“希望”になりたいと考えています。
カスンバ選手「ウガンダには才能があって、野球をやりたい子どもたちがたくさんいます。でも設備も、道具も、十分な食料さえもありません。僕の目標は、日本やアメリカで活躍してウガンダの野球を認めてもらい、子どもたちが野球をやれる環境を整えるための支援がさらに広がっていくことです」
カスンバ選手は、ビザの更新のため今月ウガンダに一時帰国する予定ですが、来年も日本でプレーしながら夢をかなえるために努力していきたいとしています。(放送:おはよう日本10月7日)
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