日本時間14日から始まったメッツとのリーグ優勝決定シリーズ。大谷翔平選手の戦いをたっぷりお届けします。
■PSで3試合連続完封 58年ぶりメジャー史上最長タイ記録
地区シリーズでパドレスとの接戦を制したドジャース。リーグ優勝決定シリーズでは、7試合制で先に4勝したチームが次のステージに上がります。
第1戦はホーム、ドジャー・スタジアム。試合前からファンのボルテージも最高潮。さらにメディアの注目度も高く、アメリカのメディアの数は普段の5倍から6倍いました。
緊張感漂う試合でも大谷選手は、白いTシャツとジャージのシンプルなスタイルで登場。
対して、大谷選手とMVP争いをしているメッツのリンドア選手は、ド派手なジャケットを着て球場入りしました。
日本時間14日、メッツの先発は千賀滉大投手。パドレス戦に続き、ここでも日本人対決が実現しました。1回、ドジャースは2アウト満塁のチャンス。マンシー選手のセンター前ヒットで2点先制タイムリー。大谷選手も拍手で称えます。
2点リードの2回、チャンスで大谷選手。この打球で2塁ランナーがかえり追加点。ロバーツ監督もガッツポーズが飛び出します。初球の甘い球を逃さず1・2塁間を抜くヒット。日本人対決は大谷選手に軍配が上がりました。
そして大谷選手は、すかさず2塁を狙いますが、惜しくもアウト。ポストシーズン初の盗塁成功とはなりませんでした。大谷選手の盗塁失敗は、7月22日以来。レギュラーシーズンからの連続成功は36でストップしました。
ドジャースがリードを保ったまま迎えた4回。大谷選手の打席ではMVPコールが…。痛烈な打球はフェンス直撃。1塁ランナーもかえり2打席連続タイムリーと思われましたが、記録はシングルヒットとライトのエラーに変更。大谷選手の打点は消えることとなりました。このプレーの際にはこんなシーンも…。メッツのリンドア選手が2塁からホームに送球する際に大谷選手の顔の近くを通過。これには大谷選手もビックリした表情を見せていました。
6点リードの8回。1アウト1・2塁のチャンスで大谷選手。デコピンのお手製首飾りをつけたファンも見守ります。ここは、フォアボールを選び満塁。チャンスを広げます。
そして、続く2番・ベッツ選手。走者一掃のツーベースでトドメの一撃。9対0でドジャースが完封勝利を収めました。ちなみに、地区シリーズのパドレス戦も含めて、この試合で3試合連続完封勝利のドジャース。ポストシーズンでの3試合連続完封は、1966年オリオールズ以来、58年ぶりのメジャー史上最長タイ記録となりました。
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■好調大谷vs変則左腕 第2戦■好調大谷vs変則左腕 第2戦
第1戦をドジャースが快勝し、迎えた第2戦。
大谷選手は初戦同様、ジャージ姿のシンプルなスタイルで球場入りしました。
第1戦、4打数2安打の大谷選手は、日本時間15日も期待がかかりますが、タイミングが合わず三振。メッツの変則サウスポー、マナイア投手に苦しめられます。 さらに、メッツの打線も猛威を振るい、2番・ビエントス選手に満塁ホームランを打たれるなど2回までに6失点。初戦と打って変わってドジャースが劣勢に立たされます。2打席連続で三振に倒れた大谷選手は5回、ファーストフライに打ち取られ、マナイア投手に3打数ノーヒット。試合も3対7で敗れ、1勝1敗の五分となりました。
■舞台はLA→NYへ 大谷「睡眠が一番大事」
第2戦が終わり、舞台はドジャー・スタジアムからメッツの本拠地、シティ・フィールドに移ります。西海岸のロサンゼルスから東海岸のニューヨークへの移動はおよそ4000キロ。飛行機で5時間20分もかかります。そんな長距離移動での大谷選手の過ごし方は…。
大谷選手「ゆっくり寝たりとか、さっきまでずっと寝てたので、まだ今もちょっと眠いくらいの感じですね。向こう(ロサンゼルス)に行くより、東(ニューヨーク)に来るほうがきついと思うので。きょう、あしたの睡眠が一番、試合のパフォーマンスの中で大事かなとは思います」 会見中、目をこすり見開く場面も。やはりお疲れの様子。それでもパフォーマンスを整えて第3戦に臨みます。 大谷選手
「今のところは自分の本当にやれることを精一杯やりたい気持ちで戦っているので、ニューヨークにこうやって敵地で来て、どういうふうな感じなのかっていうのは、僕は初めてのことなので楽しみにしています」
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■特大ホームラン 驚愕の“大阪城越え”■特大ホームラン 驚愕の“大阪城越え”
日本時間17日、ニューヨークの気温は13度。この日は上着を羽織って敵地シティ・フィールドに姿を現した大谷選手。球場入り後、防寒対策をしっかりしながら試合に向け準備をしていくドジャースの選手たち。大谷選手はというと、なんと半袖姿でリハビリのキャッチボールを行っていました。そして大谷選手の様子を見ていたメッツファンに向けてボールを投げ入れます。ボールを手にしたメッツファンの女性も大喜びです。
試合開始直前には気温が10度近くまで下がりましたが、球場は多くのメッツファンが埋め尽くし、熱気にあふれていました。
大谷選手の名前がアナウンスされるとブーイングが巻き起こります。見渡す限り敵だらけな状況の中、1回、大谷選手の第1打席はファーストゴロに倒れます。
大谷選手はこの後もフォアボール、ライトフライ、空振り三振と4打席目までノーヒット。
大谷選手の第5打席は4点リードの8回、ランナー2塁1塁とチャンスの場面で回ってきました。ワンストライクをとられた後の2球目、打球はライトへ高く上がり、ポールをまいて2階席に飛び込む特大ホームランです。ホームに戻るとキケ・ヘルナンデス選手とかめはめ波。ここまでノーヒットに終わっていた大谷選手が試合終盤に勝負を決定付ける一打を放ちました。ちなみにこのポストシーズン第2号ホームランは打球速度186.5キロ、角度は37度で、飛距離125メートルの特大弾でした。最高到達点は41.8メートルで、これは天守閣の高さ日本一の大阪城を越える一打となりました。
試合前、大ブーイングを浴びせたメッツファンもダメ押しとなるこの豪快アーチでみんな無言に…。敵地に乗り込んだドジャースが2勝目を挙げました。
ドジャースファン「とても素晴らしかったわ」
「きょう、ショウヘイがホームランを打つと私は思っていたんだ」 日本人ファン
「アウェー感が半端なかったです。ホームランを打ったのに誰も騒がないから」
「立ち上がったんですけど、そのままスゥ〜っと座りました」
「周りが立ち上がってなさすぎて」
「まずい、まずいと思ってスゥ〜っと座りました」
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■2試合連続HR 山本も5回8Kの活躍■2試合連続HR 山本も5回8Kの活躍
メッツファン「今言えることは、きょう、私たちが勝つということだよ。それにしてもオオタニには驚かされるね。彼がプレーする姿を見たけど、やっぱり唯一の選手だね」
メッツファンからもべた褒めされる大谷選手は日本時間18日、パーカに黒のパンツを組み合わせたスポーティーな装いで球場入りしました。
このまま連勝してリーグ優勝に王手をかけたいドジャース。気温12度と肌寒いなか始まった第4戦、いきなり大谷選手が熱く盛り上げます。プレーボールから27秒、打った瞬間、大谷選手もチームメイトも確信の2試合連続、日をまたいでの2打席連続となる豪快な一打。これには守備もただ見送るだけ…。ポストシーズンここまでランナーなしの場面では22打数ノーヒットに終わっていた大谷選手から貴重な一発が生まれました。ダイヤモンドを一周すると、大谷選手は「Let’s fight for(さぁ行こう)」と、チームを鼓舞します。
ドジャースの先発は山本由伸投手、ポストシーズン3度目の登板です。その立ち上がり、メッツの2番・ビエントス選手に一発を浴びてしまい、あっという間に同点に追いつかれてしまいます。しかし3番・アロンソ選手、4番・ニモ選手と連続三振を奪い、この回を最少失点で切り抜けます。
山本投手は5回途中まで投げ、8つの三振を奪う活躍を見せました。
大谷選手の第2打席はストレートのフォアボール。2番・ベッツ選手のヒットで2塁まで進むと、この日、4番に入ったエドマン選手の左中間への当たりで大谷選手が勝ち越しのホームを踏みます。4回、大谷選手の第3打席は、またもフォアボール。すると続くベッツ選手がレフト線に長打コースの一打を放ちます。この当たりで大谷選手は一塁から一気にホームイン。チーム勝利のため全力疾走の大谷選手、ちょっと息が切れたようです。
そして6回、大谷選手の第4打席です。またもストレートのフォアボール。まともに勝負してもらえません。
これに奮起したのがベッツ選手でした。レフトスタンドにメッツファンの希望を打ち砕く2ランホームラン。うれしさのあまりベッツ選手からはスキップが飛び出しました。大谷選手の先頭打者ホームランで勢いがついたドジャース。これでワールドシリーズ進出へ王手をかけました。
大谷選手「フレディ(フリーマン)に『レイトショーはいいから早めに打ってくれ』と試合前に言われていたので。(ベンチに)帰ってフレディと『打ったよー』という会話をしました。あした、しっかりと(WS進出を)決めるという気持ちを持って全員で頑張りたいなと思います」
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■アクシデントも2安打 監督が珍しく苦言■アクシデントも2安打 監督が珍しく苦言
そして迎えた第5戦。
メッツファン「家も車も売って、女房も売り払ってでもこの試合を観たいんだ」
「奥さんも来てるのに?」 ドジャースファン
「この試合のために(NYに)来たのよ。勝利を祝う準備はできているわ」
日本時間19日の大谷選手は、第3戦の時と同じスタジャン姿でスタジアムに登場。このスタジャンは、お値段およそ40万円だそうです。
ドジャースの地元ロサンゼルスでは、優勝を決める瞬間を見届けようと、明るいうちからバーにファンが集いました。
1回表、1番・大谷選手が打席に入ります。
地元ロサンゼルスのファンが、テレビの中の大谷選手を祈るように見つめます。
フルカウントで迎えた6球目。アウトコースのスライダーをはじき返し、3試合連続ヒットで塁に出ます。
続く2番・ベッツ選手。ライトがボールをこぼした隙に、大谷選手は3塁に進み、ランナー2・3塁と得点のチャンス。ロサンゼルスのバーが歓喜に包まれます。
しかし、続くバッターがショートゴロ、大谷選手はホームにかえれず、この回は結局無得点。
3点を追うドジャースは2回、大谷選手の2打席目で、おもわぬアクシデント。ランナー2塁の場面、バットを構えたその直後、右目に何か入ったようで、こすり始めます。突然の出来事に、何事かとざわめく観客。監督とチームメイトが心配そうにベンチから駆け寄ってくる事態となりました。この打席、大谷選手はフォアボールを選んで出塁。目に虫が入っただけだったのか、大事には至りませんでした。
4回表1対8で7点を追いかけるドジャース。9番のセンター・パヘス選手に一発が飛び出します。
打順は1番に戻って、続く大谷選手の第3打席。詰まった当たりが幸いし、守備陣の間にポトリ。この日、2本目のヒットとなります。
ホームラン1本のパヘス選手は5回にも2打席連続ホームラン。6回表には、2番・ベッツ選手も2試合連続ホームランと、打線は文句なしの結果を残しましたが、試合はドジャースがメッツに大量失点を許し6対12で大敗。対戦成績は3勝2敗。ナ・リーグの優勝を決める舞台はロサンゼルスに持ち越しとなりました。試合後、いつもは手放しで大谷選手を褒めちぎるロバーツ監督が、珍しく苦言を呈しました。それは1回表、ランナー大谷選手が3塁にいた場面です。
ロバーツ監督「内野も下がっていたし、打球が内野中央に飛んだあの状況ならショウヘイは走らないといけない。でも止まってしまった。言い訳はできない」
強い当たりで、ランナーにとっては判断が難しい場面ですが、大谷選手に期待が大きいからこその言葉だったのかもしれません。
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■21日の第6戦…大谷に天敵 千賀もブルペン待機■21日の第6戦…大谷に天敵 千賀もブルペン待機
日本時間21日に行われる、ナ・リーグの優勝決定シリーズ第6戦。メッツの先発予想は、第2戦で対戦した変則サウスポー、ショーン・マナイヤ投手です。大谷選手はこの試合で、マナイヤ投手に3打席ノーヒットに抑え込まれました。 さらに、負ければ終わるメッツは、第1戦で先発した千賀投手がブルペン待機の予定。第1戦で大谷選手のタイムリーで1点を失うなど、3失点で2回途中で降板した千賀投手。ドジャース打線へのリベンジを誓います。日本時間19日、優勝を決めることはできませんでしたが、ドジャースファンはヒートアップ。
ドジャースファン「ナショナルリーグの最終対決はロサンゼルスがふさわしいからね。僕は次の試合のチケットも購入済みさ。ドジャー・スタジアムにもう一回行けるなんてうれしいよ」
(「グッド!モーニング」2024年10月20日放送分より)
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