人気、実力ともに屈指で、大リーグを代表する東西の雄。ニューヨークを本拠とするアメリカン・リーグのヤンキースと、ロサンゼルスに本拠を置くナショナル・リーグのドジャースが、25日(日本時間26日)に開幕する「世界一」をかけた舞台、ワールドシリーズ(WS)で、1981年以来43年ぶりに相まみえることになった。
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大谷翔平と山本由伸が所属するドジャースが勝てば、2020年以来8度目となるワールドチャンピオン。ヤンキースが制すれば、松井秀喜がシリーズMVPを受賞した09年以来で、史上最多を更新する28度目の戴冠となる。
WSではこれまでに史上最多となる11度も王座を争った因縁がある両球団。過去の対戦ではドジャースが3勝8敗と圧倒されている。
両球団が初めてWSでぶつかったのは、1941年。ドジャースがまだニューヨークのブルックリンに本拠を置いていたころだ。
この初顔合わせを含め、ドジャースは47、49、52、53年とWSでたて続けにヤンキースに煮え湯を飲まされた。55年にようやく球団初の世界一をつかんだものの、翌56年にはヤンキースに雪辱を許し、世界一の座を明け渡すことに。58年にドジャースが本拠をロサンゼルスに移して以降も、両球団のライバル関係は続いた。
ロサンゼルスへの移転後初めて実現した63年のWSは、ドジャースの伝説的な左腕コーファックス(背番号「32」は球団初の永久欠番の一つ)が2完投勝利を挙げるなど、ヤンキースに4連勝して世界一に輝いた。両チームが対戦したWSで、ストレートで決着がついたのはこの年だけだった。
77年は、ヤンキースに語りぐさが。レジー・ジャクソンが5本塁打の大活躍で、世界一に貢献。「ミスター・オクトーバー」の異名をとった。
直近81年の対戦はドジャースが4勝2敗で制した。
ドジャースの大谷は、初めて臨んだポストシーズンで悲願のWS進出を果たし、「目指してきた場所にやっと来たか、という思い」「(ヤンキースが)素晴らしい球団なのは間違いないので、全員の力で頑張っていきたい」と静かに語った。
ヤンキースには今季大リーグ最多58本塁打144打点で2冠を手にし、ア・リーグMVP受賞が確実視されている右打者ジャッジ、フリーエージェントとなる今オフに大谷に匹敵する巨大契約を結ぶとのうわさもある左打者ソトら、大リーグの「顔」と呼べるようなスターがそろっており、近年にない盛り上がりを見せることは必至だ。
今年で開催120回を数えるワールドシリーズの出場回数は、ヤンキースが最多の41。次いでドジャースの22。今季のレギュラーシーズンでは6月にニューヨークで対戦し、ドジャースが2勝1敗と勝ち越した。(安藤仙一朗)
ワールドシリーズでの対戦成績
1941年 ドジャース1勝 4勝ヤンキース
1947年 ドジャース3勝 4勝ヤンキース
1949年 ドジャース1勝 4勝ヤンキース
1952年 ドジャース3勝 4勝ヤンキース
1953年 ドジャース2勝 4勝ヤンキース
1955年 ドジャース4勝 3勝ヤンキース
1956年 ドジャース3勝 4勝ヤンキース
1963年 ドジャース4勝 0勝ヤンキース
1977年 ドジャース2勝 4勝ヤンキース
1978年 ドジャース2勝 4勝ヤンキース
1981年 ドジャース4勝 2勝ヤンキース
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