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 ドジャースか、ヤンキースか。メジャーリーグの頂点を決めるワールドシリーズが日本時間26日に開幕しました。

■ヤンキースが試合をひっくり返す!?

大谷翔平選手(30)
「有意義なアウトならOKじゃないかなと思う。すべて勝ったか負けたかで決まるので、このシリーズを勝って最高の終わり方ができたらと思います」

 思い思いの格好でスタジアムに表れたドジャースの選手たち。初めての夢舞台に大谷選手は黒のインナーに茶系のジャケット、グレーのパンツという“知的な秋コーデ”ファッションで球場入りしました。

 そんな大谷選手にファンが期待することはもちろん…。

ドジャースファン
「彼が切り込み隊長としてヒットを打つね。大谷翔平はナンバーワンでチームを牽引(けんいん)する存在だよ」

 運命の第一戦は予定時間を少し過ぎて始まりました。前日「自分がプレーできる喜びをフィールドで出したい」と話していた大谷選手は、一番・指名打者でスタメン出場。その第一打席。初球のストレートをうまく捕えたように見えましたが、惜しくもセンターフライに倒れました。

 序盤は投手戦となり、お互い無得点のまま進んでいきます。試合が動いたのは5回でした。

 ポストシーズン打撃絶好調の6番に入ったキケ・ヘルナンデス選手(33)が3ベースヒット。そして7番のウィル・スミス選手(29)がきっちりライトに犠牲フライを放ち、ドジャースが先制します。球場に入れず、スポーツバーで観戦していたドジャースファンも大盛り上がりです。  しかしヤンキースがすぐさま反撃。直後の6回、ランナーを一人置いて4番・ジャンカルロ・スタントン選手(34)。高々と上がった打球はレフトスタンドに。4番の一振りでヤンキースが試合をひっくり返しました。

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■今季のホームラン王と激突!

■今季のホームラン王と激突!

 点を取られれば取り返す!ドジャースとヤンキース、今シーズンの対戦成績は2勝1敗でドジャースが優勢。いずれも熱戦を演じてきました。

 逆転ホームランを放ったジャンカルロ・スタントン選手(34)は、2014年と17年にホームラン王を獲得。17年は打点王も獲得し2冠に輝いた選手です。今季ポストシーズンはワールドシリーズ前まで両チーム最多の5本塁打と好調。リーグ優勝決定シリーズでは、MVPに選出され、18打数4安打7打点。この4安打すべてがホームランで3試合連続ホームランを記録。ワールドシリーズ第1戦のホームランで4試合連続となりました。スタントンはここまでドジャースタジアムで通算10本塁打、長打率はなんと7割を超える成績。やはり油断できない相手でした。

 そして、大谷選手と同じくレギュラーシーズンホームラン王、打点王に輝いたアーロン・ジャッジ選手(32)。ポストシーズンでは成績不振に陥り、ワールドシリーズ前まで31打数5安打、打率は1割台と伸び悩んでいます。それでもガーディアンズ戦では2試合連続ホームランを放ち、主砲としての仕事を果たしました。本調子ではないものの自身初のワールドシリーズで一発が出るのか注目です。

 松井秀喜さんが3本塁打でMVPを獲得し優勝に導いた2009年ワールドシリーズ。15年ぶりの制覇へヤンキースが一歩リードするのでしょうか?

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■レベルが高すぎる “激アツ”対決

■レベルが高すぎる “激アツ”対決

 ヤンキースのジャッジ選手と大谷選手といえば、当時、ア・リーグのエンゼルスに所属していた大谷選手と、ジャッジの熾烈(しれつ)なホームラン王争いです。

 おととし、前の年に最後までMVPを争った2人は、この年もバチバチでした。大谷選手がジャッジ選手の目の前でホームランを放てば…。ジャッジ選手も負けじと特大アーチ。この年、大谷選手は投手として15勝、ホームラン34本。二刀流として異次元の活躍を見せ、2年連続MVP間違いなしと思われていましたが、この偉業を阻止したのがジャッジでした。

 ホームランを打って、打って、打ちまくったジャッジ選手。62本のホームランを放ち、ア・リーグのシーズン最多ホームラン記録を61年ぶりに更新するなどメジャーの歴史を塗り替え、この年のシーズンMVPに輝きました。2人のレベルが高すぎる争いを覚えている人も多いのではないでしょうか。

 ちなみに、大谷選手対ジャッジ選手はこれだけではありません。2年前のヤンキース対エンゼルスの試合では、大谷選手の打球を身長2メートル1センチのジャッジ選手がスーパーキャッチ。大谷選手のホームランをつかみ取ってしまいます。これにジャッジ選手は「大谷選手の打球は月まで届きそうだったよ。凄い選手の打球をとることができてよかったね」と話し、大谷選手をほめる余裕をみせました。

 さらに去年、打席には大谷選手、センターにはジャッジ選手です。打球はジャッジにもぎ取られ、またもジャッジ選手がスーパーキャッチ。実は一度ボールを取りこぼした後に素手でキャッチしていました。「大谷選手にホームランは許さない」と言わんばかりの執念をみせました。

 さらにさらに!今シーズンも、大谷選手とジャッジ選手の“激アツ”対決がありました。ヒットで出塁した大谷選手、その後3塁まで進んで、ウィル・スミス選手の打球がライトを守るジャッジ選手の元へ。ジャッジ選手か、それとも大谷選手か。勝ったのは大谷選手でした。それでも、この時のジャッジ選手の返球は、なんと150キロ。見ごたえ満点の怪物対決でした。

 今シーズンともに、ホームラン王を獲得している大谷選手とジャッジ選手。ワールドシリーズで、この2人のホームラン争いにも目が離せません。

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■ベッツに火をつけた?「見下されていると感じた」

■ベッツに火をつけた?「見下されていると感じた」

 球場の外でも両チームのファンが、大谷選手とアーロン・ジャッジ選手(32)のホームラン王対決が再加熱していました。

ドジャースファン
「ホームラン王は間違いなく大谷選手だよ」 ヤンキースファン
「やっぱりホームラン王はジャッジさ」  こちらの男の子は、自分の体よりもちょっと大きめのワールドシリーズグッズを首からぶら下げています。  球場のショップでは、ワールドシリーズならではのグッズがずらり。大谷選手とジャッジを並べたTシャツやボールなど、ホームラン争いへの関心の高さがうかがえます。  ドジャースファンはすでにワールドシリーズを制したかのようにチャンピオンリングと記念撮影。音楽隊の生演奏も出現するなど応援にも熱が入ります。

 試合はドジャースが1点を追う展開のまま迎えた8回、初のワールドシリーズいまだノーヒットの大谷選手に打席が回ってきます。初ヒットはフェンス直撃の2ベース。さらに守備に連携のミスが生まれた隙に大谷選手は3塁に到達します。

 同点のチャンスの場面で打席に立つのは、レギュラーシーズン途中に離脱するも戻ってきて快進撃をみせるムーキー・ベッツ選手(32)。ドジャースMVPトリオの一人のベッツ選手は、2020年にワールドシリーズ制覇を経験。しかし、ここ2年ポストシーズンでは地区シリーズ第2戦まで29打席ノーヒットと不調が続きました。それでも第3戦ではこのホームランから本来の調子を戻していきました。

 メッツとの第4戦では、大谷選手が1回先頭打者ホームランを打った後、第2打席はフォアボール。続く第3打席はまたもフォアボール。そして、第4打席もフォアボールで出塁。3打席連続で勝負を避けられます。

 ちなみに、大谷選手はパドレス・メッツ戦で53打席のうちフォアボールは11個。アメリカのスポーツ専門チャンネルの記者によると、ストライクゾーンへの投球は39%しかなく警戒が強まりました。これにはベッツ選手の闘争心にも火がつき、6打数4安打4打点と完全復活を果たしました。

 この活躍にデーブ・ロバーツ監督はこのように話します。

ロバーツ監督
「個人的に見下されていると感じたのだろう。相手監督が(大谷選手を)敬遠するにしろ外にわざと投げて歩かせるにしろ、ああいうことが火をつけるんだ」

 この場面でもベッツは燃えているのでしょうか。1ボール2ストライクと追い込まれてからの4球目。大谷選手が戻ってくるには十分な一打となりました。

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■ドジャース劇的勝利 大谷も飛び出す!

■ドジャース劇的勝利 大谷も飛び出す!

 試合は延長戦に突入し、ヤンキースに1点を勝ち越されたドジャースはそのウラ、1アウト1塁2塁で大谷選手に回ってきます。相手のレフトが観客席に入りながらキャッチ。ヤンキースも勝利への執念をみせました。続くベッツは申告敬遠され、ツーアウト満塁で3番のフレディ・フリーマン選手(35)を迎えます。

 大谷選手、ベッツ選手と並ぶMVPトリオの一角、フリーマン選手。レギュラーシーズンのパドレス戦の7回。悲劇が起きました。1塁を駆け抜ける際に転倒し、右足首をねんざ。チームから離脱しました。それでも、ポストシーズンに入り万全ではないものの復帰を果たし、地区シリーズ初戦では5打数2安打の活躍を見せました。

 さらにメッツとの初戦では、ヒットで2塁から一気にホームへ激走。ホームインした際にはベッツ選手と抱き合う場面もありました。ポストシーズンの成績は32打数7安打。3試合欠場し、ワールドシリーズに臨みます。

 フリーマンは満身創痍のなか、ワールドシリーズ初のサヨナラ満塁ホームラン。ドジャースが逆転勝利しました。

 劇的な勝利にスタジアムはお祭り騒ぎに。大谷選手もグラウンドに飛び出して喜んでいました。 ファン
「素晴らしい試合で最高の時間を過ごせたよ。ゴー!ドジャース」

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■ドジャースの“3強”

■ドジャースの“3強”

 元メジャーリーガーとしてエンゼルス、マリナーズで活躍した長谷川滋利さんはドジャース勝利の要因をこう分析しました。

武隈光希アナウンサー
「今回勝敗を分けたポイントはどの辺りだとみていますか?」

長谷川さん
「やっぱり最後のホームラン。フリーマンのでも一番はヤンキースが(大谷選手の打席で)コルテスを出しましたよね。大谷選手に対して相性が良かったんですけど、今のルールで3人に投げないと交代できないので、そこで大谷選手に集中しすぎた。ヤンキースとしては敗因になったかなと思います」 武隈アナ
「そう考えるとこの勝敗に大谷選手がやはり直結しているというところもあるんですか?」 長谷川さん
「もちろんそうですね。やはり大谷選手、ベッツ選手、フリーマン選手とそろっている。ドジャースの強いところですね。1・2・3で」

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■山本「とにかく全力を尽くす」

■山本「とにかく全力を尽くす」

 第2戦の先発マウンドを任された山本由伸投手(26)。今シーズンメジャー1年目。初登板は、まさかの1回5失点と大乱調で降板とほろ苦いものでした。それでも本拠地デビューとなった次の登板では、5回2安打無失点と好投。本来の実力を発揮した山本投手を大谷選手は絶賛しました。

 その後は、順調に勝利を積み重ねていった山本投手。活躍の裏には、“この男”の存在がありました。

山本投手
「登板後とかはよく声をかけていただいています。三振が取れてよかったなって言ってましたね」

 6月、チームトップタイの6勝と好調のなか山本投手はヤンキースと一度対戦しました。メジャー屈指の強力打線に対しても、本来のピッチングを見せます。そして、現役最強バッターとも言われるアーロン・ジャッジ選手(32)との対戦。この日は7回7奪三振、無失点と最強打線を封じ込めました。

 きのう会見に臨んだ山本投手は、ワールドシリーズへの思いを語りました。

山本投手
「シーズン中に離脱している期間が長かったので、何とかチームに貢献したいという気持ちがスゴく強いですし、ワールドシリーズという特別な試合なので、簡単にはうまくはいかないと思いますけど、とにかく全力を尽くしたいです」

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■警戒すべきバッターは?

■警戒すべきバッターは?

 今年2度目の対決となる山本投手対ヤンキース打線。長谷川さんに勝利のカギを聞いてみると…。 長谷川さん
「(山本投手は)それぞれ全部いい球なので、一番私は意外にカーブを使うといいのかなと思います。やっぱり他の球はバッターが見てて3分の1のところから曲がってくるのです。打ちにくいんですけど、カーブだけは(そのラインから)外れるので、それを意識させると、他の球にも集中できなくなるので。もう少しカーブを増やせば意外に6回ぐらいいけるんじゃないかと思う」 武隈アナ
「山本投手が一番警戒すべきバッターは誰になりますか?」 長谷川さん
「力勝負で行くんだったら、やっぱりスタントンは怖いですね。元々甘い球しか打てないバッターですけど、甘いところ来たら、今の彼のパワーだったら楽勝で持っていかれちゃうので。できればスタントンにボール気味で振らせるという方がいいと思う」  そして大谷選手と対峙(たいじ)するヤンキースのピッチャーはチームの勝ち頭、今シーズン16勝を挙げたカルロス・ロドン投手(31)です。 長谷川さん
「大谷選手にしたら苦手なピッチャーっていう感じではないと思う。今の調子だと、ヤンキースのピッチャーの中で今、翔平選手が完璧に抑えられそうなのは(第1戦の)コールぐらいだったので。後のピッチャーに関しては全部見ていますが、恐らく彼の調子が良ければ必ず打てるピッチャー。全員が今の感じだったら全然問題ないと思います」

 大谷選手はメジャー1年目の2018年にロドン投手と対戦、ホームランを放っています。

(「グッド!モーニング」2024年10月27日放送分より)

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