高校ラグビー世代の国際大会「サニックスワールドラグビーユース交流大会」が、4月28日、福岡県宗像市のグローバルアリーナで開幕。開幕戦に今年の選抜大会の覇者・大阪桐蔭が登場し、イングランドのトルロカレッジと対戦しました。

 おなじみのバグパイプの演奏の中、登場した両チーム。トルロカレッジのキックオフで始まったこの試合は、開始直後から両チームの激しい闘志がぶつかり合う白熱の展開となります。

 先制したのはトルロカレッジ。キックオフ直後の最初のコンタクト、強烈なタックルで大阪桐蔭からボールを奪うと、そこからFW陣が力強い突破を繰り出します。1人1人が縦への強さを見せて、最後は中央にトライ。ゴールも決めて、あっという間に7点をリードします。

 しかし、さすがは選抜大会の王者・大阪桐蔭。ここから冷静に立て直します。低く鋭いタックルで、トルロカレッジの攻撃を抑え込むと、風上をうまく利用してトルロカレッジ陣内に攻め込みます、そして9分、SO上田倭楓選手のキックパスに反応したWTB水島功太郎選手がタックルを振り切ってトライ。上田選手がゴールも決めて7対7の同点に追いつきます。

 追いついて勢いの出てきた大阪桐蔭。その後もFW陣の素早い集散でトルロカレッジを上回って試合の主導権を握ります。そして前半終了間際の24分、NO8大門一心選手の突破にFW陣が素早く呼応。大きな相手に対してFW陣が一体となって押し込んでトライ。12対7と逆転して前半を終了します。

 後半は、風下にまわった大阪桐蔭。それでも主導権は渡しませんでした。SO上田選手が風下をものともしない有効なキックを連発。FWを上手く前に出して試合を進めます。そして35分(後半10分)、選抜大会でも武器となったスクラムを押し込んでペナルティを誘発。相手ゴール前でラインアウトのチャンスをつかむと、密集サイドで素早くボールを動かしてトライ。19対7とリードを広げます。

 しかし、イングランドのアンダーカテゴリー代表選手を数多く擁するトルロカレッジ、ここから底力を発揮します。25分ハーフで行われているこの試合、残り時間が少なくなる中、最後まであきらめず強烈な縦突進を繰り返します。そして残り時間もあとわずかになった47分、またしてもFW陣の力強い突破から中央にトライ。ゴールも決めて19対14。ワンチャンスで逆転可能な5点差に迫ります。

 それでも、大阪桐蔭は慌てませんでした。近畿大会、選抜大会と大事な場面を乗り越えてきたチーム力を見せつけます。全員が体を張ったディフェンスでトルロカレッジの必死の反撃を抑えて、敵陣で試合を進めます。さらにラスト1プレイまで集中力を切らさない攻撃を見せて、ダメ押しのトライ。春の高校ラグビー日本一を勝ち取った大阪桐蔭、24対14でイングランドの強豪トルロカレッジを振り切り、見事、プール戦の初戦を勝利で飾りました。

 神奈川の桐蔭学園は、前半に手堅くPGで得点を積み重ねた後、後半にトライを奪って突き放す盤石の戦いぶり。パワフルさが持ち味のマハトマガンジーメモリアルスクール(フィジー)に付け入るスキを与えず、25対0で完勝しました。そのほかの日本勢では、大分東明(大分)、御所実(奈良)、東海大相模(神奈川)、東福岡(福岡)が勝利しています。


◎第1日の結果(男子15人制)は以下のとおりです
▼大阪桐蔭(大阪) 24-14 トルロカレッジ(イングランド)
▼桐蔭学園(神奈川)25-0 マハトマガンジーメモリアルスクール(フィジー)
▼大分東明(大分)42-26 ウィントフックジムナジウム(ナミビア)
▼石見智翠館(島根)12-47 セントオーガスティンズカレッジ(オーストラリア)
▼御所実(奈良)83-0 チュンブクハイスクール(韓国)
▼国学院栃木(栃木)24-39 サウスランドボーイズハイスクール(ニュージーランド)
▼東海大相模(神奈川)33-0 ジェングオハイスクール(中華台北)
▼東福岡(福岡)54-3 ジェスイットハイスクール(アメリカ)

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