広島ドラゴンフライズは、チャンピオンシップ(CS)進出に向けたワイルドカード争いで出場圏内の2位。今季、連敗している島根との因縁の中国ダービーをアウェイで戦いました。試合は、王者・琉球から移籍してきた2人の男が危機的状況からチームを救いました。
島根スサノオマジック(西地区 4位)vs. 広島ドラゴンフライズ(西地区 3位)
4月27日(土) ゲーム1(松江)
土曜日、決戦の地―。松江城そびえるアウェイ島根に乗り込んだ広島ドラゴンフライズ。選手たちも気合いが入った表情で会場にやってきました。
広島ドラゴンフライズ 朝山正悟 選手
「この体育館にはいろんな思いもありますし、いろんな貸しもありますしね。そういった思いも含めて、きょうはぶつけていきたいと思います。がんばります」
完全アウェイの島根で数少ない朱色のファンを発見。
ファンたち
― 期待の選手は?
「エバンス選手ですかね」「船生選手で」「勝ちます」「絶対勝つ」
連日、4500人越えの最多観客試合となったアリーナ。第1クォーター、広島は強度の高いディフェンスを展開し、得点王のビュフォードを徹底マーク、無得点に抑えます。
序盤は、三谷桂司朗 が3ポイントを決めるなど試合を優位に進めます。しかし、島根の 安藤誓哉 に3ポイントを次々決められると接戦のまま、第2クォーターへ。ここからは好調の 山崎稜 が奮起。
広島ドラゴンフライズ 山崎稜 選手
「(アウェイの声援が)すごかったのはすごかったですが、それでもやることは変わらないので、自分が打てると思ったらどんどん打っていくだけなので」
3ポイントを2本決め、引き離そうとしますが、またもや安藤を止められず、2点リードで後半へ。
第4クォーター、ミスが続いた広島は、残り4分を切ったところで逆に7点差を付けられます。しかし、このピンチから王者・琉球のDNAを知る ドウェイン・エバンス のショータイムが始まります。
広島ドラゴンフライズ ドウェイン・エバンス 選手
「こういう場面は何度も経験しているので、落ち着いてシュートが打てました。シュートが入ってよかったです」
ゴール下に切れ込み、しぶとくシュート決めると、今度は3ポイントを決めて2点差に。
さらに鋭く切れ込み、ファールをもらうとフリースローを2本とも決めて、ついに同点。さらにディープな位置から打った渾身の3ポイントと、一気に逆転に成功します。
その間、島根に得点を許さず、エバンスは11連続得点。そのまま4点差で逃げ切り、初戦を勝利で飾りました。(島根 67-71 広島)
ファンたち
「よかったです」「最高!」
4月28(日)ゲーム2(松江)
まずは、河田チリジ が豪快なダンクを決めます。さらにオフェンスリバウンドからシュートを決めて、2点差に迫ります。
勝負の第4クォーター、今度はケリー・ブラックシアー・ジュニアを生かし、連続得点で逆転。3点リードでタイムアウトへ。ここで、カイルヘッドコーチは、連続出場で疲れはあるものの、好調な船生に最後まで司令塔を委ねます。
広島ドラゴンフライズ 船生誠也 選手
「『ダメだ。行け』って言われたので、そこのところは覚悟で、3~4分あったんですけど、3分やるっていうよりかは1分で決めるしかねえなと思って」
まずはメイヨが2ポイントシュートを決め切ると、覚悟の船生…。安藤を振り切り、レイアップを決めると、万感の思いがこもった意地のこのポーズ。さらに、3ポイントを決め、リードを12点に広げます。
船生誠也 選手
― 本当に決めました。感動したんですけど。
「ありがとうございます。ぼくはバテバテで、感動どころじゃなかったです」
ファン
「船生さんがスリー決めたとき、本当に涙が出ちゃって…」
島根を今季、最少失点に抑えて4連勝。チャンピオンシップ進出に大きく近づきました。(島根 51-65 広島)
ファンたち
「1・2・3、勝ちじゃけえ」
船生誠也 選手
「残り2試合も勝って、ワイルドカード1位で行きたいなと思います」
― 千葉が敗れたため、ワイルドカード争いでついにトップに浮上しました。ただ、出場するには中地区の順位争いが絡んできて非常に複雑なんです。5月4日からの最終節、昨年の王者・琉球に1つでも勝つか、渋谷が信州に1つでも敗れればチャンピオンシップ出場が決まります。また、たとえ広島が連敗で渋谷が連勝でも三河が三遠に連敗、もしくは千葉が秋田に連敗すれば出場が決まります。最後まで目が離せません。
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