敵地・トロントの球場で、大谷翔平選手の全ての打席で大ブーイングが起こりました。「トロントだからこそ」の理由をご紹介します。

■かつては移籍“確実視”報道のブルージェイズ

山内あゆキャスター:
敵地トロントでのドジャース対ブルージェイズ。27日は12対2で大勝で、大谷選手は7号ソロホームランを放ちました。28日は4対2で勝ち、菊池雄星投手からタイムリーヒットを打っています。そして29日は1対3、ノーヒットで試合も負けました。

トロントで大きな話題になったのが、大谷選手の全打席での大ブーイングでした。

これに対して、大谷選手は会見のなかで「チームが好きだからこそ相手選手にブーイングすると思う。逆に僕はブルージェイズのファンだったら普通にブーイングすると思います」とコメントし、またファンの心を惹きつけました。

そして、このトロントだからこそブーイングが起きたんです。というのも、大谷選手の争奪戦が起きたときに「ブルージェイズに入るんじゃないか」と報じられていました。

ブルージェイズの地元有力紙であるトロント・サン紙は2023年12月6日、「ブルージェイズのオーナーが1080億円を用意した」と報道し、紙面では「翔平トロントに来て!」と日本語でアピール。さらに大谷選手の写真にユニフォームを合成。トロントの皆さんは「これはもう確実なんじゃないか」と思ったわけです。

ほかにも、アメリカの複数のメディアが「ブルージェイズの監督ら関係者が大谷選手と面談」と報じたり、ドジャースを中心に報じている紙面(ドジャース・ネーション)でも「大谷選手がドジャースではなくブルージェイズと契約へ」と報じたり。

また、MLB記者のXでも「大谷選手がカナダ・トロントに向かっている」と報じられたことから、トロントの皆さんは期待していました。

しかし実際にはその数日後、ブルージェイズがこんなに言っていたのに、大谷選手はドジャースとの契約を発表。みんながっかり…というような経緯があったので、今回の大ブーイングになりました。

さらに、トロントはアイスホッケーが大変人気のところです。トロントにあるホッケー殿堂博物館では「レジ係が大谷翔平はブルージェイズと契約していないので入場できないと告げる」と言って、要注意人物が書かれているところに大谷選手の写真が載っていて、出禁一覧みたいに扱われている…というところを、ポップに伝えていました。すごいブーイングでしたね。

ホラン千秋キャスター:
本人が期待させたというより、周りが盛り上がって期待させてしまった部分もあると思いますが、ブーイングも含めて、それを結果で跳ねのけるという、スポーツの醍醐味だな、なんて部分でもあるのでしょうか。

プロ経営者 ハロルド・ジョージ・メイさん:
相手選手や相手チームをブーイングしたり、ヤジを飛ばしたりするのも、言っている本人はすごくすっきりしますからね。それも一つのエンターテイメントなんじゃないかな。

でも今回は、僕はやはり未練だと思います。ブルージェイズ側からすると「なぜうちに来なかったの、来てほしかったのに」みたいな、そういうことだと思うんだけれども。逆に言うと、愛ゆえのブーイングなのではないかと、いい意味で解釈しています。

井上貴博キャスター:
愛情の裏返しはブーイングですから、間違いなく。

でも今回ばかりは、ブーイングしたことを多分ファンも後悔しているんじゃないかというか。大谷さんはブーイングに感謝して、むしろ力に変えて結果を出したわけじゃないですか。

プロ経営者 ハロルド・ジョージ・メイさん:
ちょっと深く考えすぎかもですね(笑) エンターテイメントとしてただ単に勝ってほしい、あれだけ強い選手が出てくるとこっちが勝てなくなるじゃないか、みたいな意味でのブーイングなんじゃないですか。大物ゆえの宿命かもしれませんね。実績がすべてですから。これだけ実績を出していらっしゃるので。

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