先発ピッチャーの誰もが目指すのが、「開幕ローテーション」。来シーズン、4年目を迎える広島カープのサウスポー・森翔平 もその中の一人です。初の開幕ローテ―ション入りを目指す森にその思いを聞きました。
広島カープ 森翔平 投手
「本当に死にものぐるいで(開幕ローテーションを)取りに行くっていう、“上を食う” ぐらいのつもりでやっていきたいなとはすごく思っています」
森翔平、26歳。今シーズンはプロ初完投も記録しましたが、1軍での登板は3年目で自己最少のわずか5試合に終わりました。
2024シーズン 5試合 防御率2.70 1勝3敗
森翔平 投手
「後半は少し投げられた部分はあるんですけど、やっぱり前半、思うようにいっていない部分が続いているので、2年続いているので」
ルーキーイヤーから2年連続、開幕1軍入りを逃した森。迎えた今シーズン、「同じ轍(てつ)は踏まない」という思いで1軍キャンプに帯同します。
森翔平 投手(ことし 開幕前)
「(開幕ローテーションを)つかみにいかないといけない立場なので、そこはどん欲にいきたいっていう気持ちはあります」
しかし、カープの潤沢な先発ローテーションに割って入れず、3年連続で開幕2軍スタートとなりました。
森翔平 投手
「開幕(ローテ―ション)に絶対入ってやろうという気持ちで冬から取り組んでいたので、そこでこけてしまって、あせりももちろん、ありましたけども、すぐ上がってやろうという気持ちが強かったので、“上をめざして” という気持ちで日々、過ごしたんですけど、結果がなかなかついてこなくて。でも、やっぱり、やけくそにならずというか、もう『黙ってやる』をテーマにやっていました」
6月、チームが快進撃を見せて首位に立つ中、1軍登板がなかった森。ただ、そのころ、森のピッチングには “ある小さな変化” が生まれていました。
ボールのリリース 横から入って最後は “縦”
「横で入っていって、最後に縦に切り替われば速く回れますし、(ボールが)最後まで隠れて、ばっと出てくると思うのでバッターも見えづらい部分がやっぱりあると思うので。すべてよくなると思いますね。どうしてもボールが見えちゃうと、バッターも見えると思うので」
わずかなフォームの修正が実を結び、7月以降、2軍で防御率0.90と結果を残します。
7・8月 2軍成績 4試合 20回 防御率0.90
そして、迎えた8月9日の阪神戦。ついに今シーズン初の1軍登板のチャンスがやってきました。
森翔平 投手
「状態的にも上がっていましたし、やっと投げられるという部分と、絶対にやってやるんだという部分の強い気持ちは持って投げました」
今シーズン初登板・初先発で初勝利。
(5回 球数79 被安打3 奪三振4 失点1)
その後も1軍で好投を見せ、短期間で首脳陣の信頼を積み上げた森に “大役” が回ってきます。
10月1日、クライマックスシリーズ(CS)進出を争うDeNAとの最後の直接対決で先発マウンドを任されます。
森翔平 投手
「聞き間違いかなと思ったんですけど、任されたらやるしかないと思って本当に気持ちを入れて投げようと思って、はい。投げたんですけど、まあ、結果的にはうまくいかなかったんですけど…」
3回2/3 被安打7 失点3
大事な一戦での黒星…。その経験を来年につなげるため、森は前を向きます。
11月9日から第2クールを迎える秋季キャンプ。森の開幕ローテーションを目指す戦いは、すでに始まっています。
森翔平 投手
「本当に春が勝負だと思うので、そこにすべて100%行けるようにっていう気持ちで今から取り組んでいきたいと思うので、少ないチャンスをしっかりつかむ立場だと思うので、しっかり覚悟を持ってやっていきたいと思っています」
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小宅世人 アナウンサー
森投手は、秋季キャンプのブルペンでは120球以上投げ、気合いは十分で「とにかく今は次の開幕に照準を合わせて準備をしている」と話していました。実戦に向けた練習もしているんですが、ストレートの左右の投げ分け、制球力が高まっているということで、「今は変化球よりとにかくまっすぐを調整していきたい」とも話していました。来シーズンの森投手の躍動に期待したいです。
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