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 日本時間22日、メジャーリーグのMVP最優秀選手が発表され、大谷翔平選手(30)が2年連続3度目のMVPを、またも満票で獲得しました。史上初づくしとなったMVPには、あの恩師も喜びの声を寄せました。

■MVP獲得を受け 大谷「代表してもらったと思ってる」

 日本時間22日朝に行われた、メジャーリーグのMVP発表。記者30人の投票によるポイントで決まります。

 まずはアメリカン・リーグから。発表するのはヤンキースのレジャンド、ジーター氏(50)です。

ジーター氏
「ア・リーグのMVPはアーロン・ジャッジ」 ヤンキース アーロン・ジャッジ この記事の写真

 ヤンキースのジャッジ選手(32)が受賞。58本のホームランを放つなど打撃2冠に輝き、順当な選出となりました。

 そして大谷選手の所属するナショナル・リーグです。史上初の50−50を達成するなど、驚異的な成績を残した今シーズン。しかし、DH専業の選手は守備での貢献がないため、過去にMVPを受賞したことは一度もありません。果たして、史上初のDHのMVPは誕生するのか。

 名前を読み上げるのは、チームメートのカーショー投手(36)。緊張の瞬間です。

ドジャース カーショー投手
「MVPは僕の仲間、大谷翔平」 大谷選手
「やばい全然聞いてなかった」

 歴史的瞬間に愛犬デコピンが逃げ出すドタバタ劇。その後、周囲のスタッフとハグ、そして真美子夫人とはグータッチを交わしました。

愛犬デコピンを抱く大谷と真美子夫人 大谷選手
「(Q.入団1年目でMVP獲得の意味は?)ドジャースの一員として、代表してもらったと思っている。みんなでつかみ取った。シーズン・ポストシーズン・ワールドシリーズもみんなでつかみ取ったものだなと思っています」
「(Q.MVPには特別なことが必要だと思ったか?)MVPを取りたい感じでシーズンはもちろん入ってない。ドジャースに来て、早くチームの一員としてファンの人たちもそうですし、チームメートの人たちに認められたい思いで、特に前半戦はやっていました」
「(Q.今シーズン最も誇れることは?)一番はワールドシリーズで勝てたこと、目指していたところなので。来年もチームみんなで頑張れるよう、リハビリしているので、復帰してシーズン頑張りたいなと思います」

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■栗山英樹さんに聞く「真の価値」

■栗山英樹さんに聞く「真の価値」

 2年連続3回目、リーグをまたいでの連続受賞は史上初!

 “DHの選手はMVPにはなれない”そう言われ続けてきた中、史上初めて手にした栄誉は、満票での受賞!まさに、ジンクスをはねのけた証しです。

大谷選手に投票した現地記者 大谷選手に投票
ボルティモア・バナー アンディー・コストカ記者

「54本塁打、59盗塁は目を見張る数字です。他の選手では実現不可能な記録だと思います。前代未聞の快挙を達成したのですから守備についたかどうかなんて関係ありません」 栗山英樹

 プロ入り以来、大谷選手と師弟関係を築いてきた栗山英樹さんは、「誰もやったことがないことをクリアしていくことは大谷にとって1つの大きな足跡だと思う。うれしかったんじゃないかなと思います」と話しました。

 DHでの受賞の価値については?

栗山さん
「パワーヒッターがそろうメジャーリーグで、バッターのみでMVPを取った。日本のプロ野球にとって非常に大きな歴史の第一歩だし、我々が進まなければいけない道標にもなる。本当に素晴らしい受賞だったなと感じます」

 過去2度のMVPは、投打二刀流での活躍を評価されてのものだった大谷選手。しかし今回はバッター専念で、歴史に名を刻む成績を残し、MVPに輝いたのです。

大谷選手
「今年1年で言えば満点に近い結果だった」

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■栗山さん「まだまだできる」 来季再び二刀流へ

■栗山さん「まだまだできる」 来季再び二刀流へ

「まだまだ翔平できるよね?という感じ」

 それでも、栗山さんはもっとできると熱弁します。

栗山さん
「50−50に関しては、ちょっと物足りない。60−60とか70−70とかいかないかなと思って見ていたので、そこはちょっと僕は『うん』とは言わない。ボンズのホームラン記録(73本)を超えるんじゃないかと言っていたので、ちょっと物足りない。それだけ大谷翔平がすごいと思っている。“まだまだ翔平できるよね?”という感じです」

 バリー・ボンズ氏がかつて残したシーズン最多本塁打記録73本。大谷選手なら、それを塗り替えることも夢ではないと語りました。

 左肩手術のリハビリを経て、大谷選手は来シーズン、二刀流復活を目指します。

栗山さん
「(手術で)体が変わるっていう、いろんな影響があると思います。そういう大変なことも含めて、まだまだ超えてくれると信じている。ピッチャー大谷がサイ・ヤング賞を取る。バッター大谷がホームラン王を取って首位打者も取る。そうなってくれるんじゃないかっていう期待感を持っています」

 大谷選手自身も受賞後のインタビューで、さらなるパワーアップを誓っています。

大谷選手
「(Q.MVPを複数回、ワールドシリーズ制覇、50−50、さらにサイ・ヤング賞も取りたい?)そうなれたら、もちろん最高。まずは復帰してもう1回、さらに強くなったパフォーマンスを出して、自信を持ってマウンドに上がるのがまず目標かなと思います」

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■松坂大輔に聞く「大谷翔平MVP」

■松坂大輔に聞く「大谷翔平MVP」

松坂大輔 大越健介キャスター
「振り返れば1年間、どれほど大谷選手の話題に楽しませてくれたかというところです。松坂さん、これでMVPは3度目。ただ、今年はドジャースへ移ってワールドシリーズを制してのMVPということで、これまでの2回とは違ったものがあるんじゃないかと」 松坂大輔さん
「これまでは二刀流だったりシーズンを通した成績を純粋に評価されて、その中でエンゼルスの勝ちに貢献されたことを評価されてきた。今年はドジャースというチームでワールドシリーズでも勝って、強いチームの中で勝つためにどれだけ貢献したのかということを評価されたのかなと思います」 大越キャスター
「インタビューの中でも“個人ではなくチームを代表しての受賞だ”という言葉を繰り返していて、いつもながら、俺が俺がではない丁寧な言葉なんですけれども本心なんだろうな、この人の場合はと思わせる何かがありますよね」 松坂さん
「ドジャースに来てから雰囲気も変わりましたし、今、ドジャースで野球をやっていても楽しそうにプレーしているのがすごく印象的ですね」 大越キャスター
「雰囲気が変わったというのはどの辺にある?」 松坂さん
「やはり結婚されたことで1つ大きな変化が生まれたのかなと思いました。スプリングトレーニングから取材させてもらいましたけど雰囲気が優しくなりましたし、見ていても以前より明るくなったと感じました。高い志を持ったチームメートが多くいて、またエンゼルスに比べて選手のレベルも高くなりましたし、シーズン通して本当に野球をやることが楽しかったんじゃないですかね」 大越キャスター
「チームと勝利への貢献という話がありましたけど、今年はそもそもピッチャーはしないという中で、打撃専門だけどすごく春先から走るトレーニングを見たと思います。その辺りもフォアザチームということでしょうか」 2月キャンプ 松坂さん
「走塁面でのスキルアップを目指しているのは、すごく意識しているなというのは見て分かりましたね。投げること以外すべてでチームに貢献するという意識がこの時からあったんじゃないですかね」 徳永有美キャスター
「それから栗山英樹さんの言葉からも大谷選手というのは型にはめられないんだ、はめたくないんだみたいな感じがひしひしと伝わってきました。松坂さんから見て大谷さんのどこが一番の常識外れなところですか?」 松坂さん
「残してる成績や内容やインパクトで、すでに人々の常識は超えていると思いますし、メジャーリーグで二刀流ができている時点で常識を超えていると思います。その中で、大谷選手を見ているとできる限りの準備をして野球に取り組んでいるという部分がやはり僕は尊敬できる部分かなと思いますね」 板倉朋希アナウンサー
「来シーズンへの期待がまた高まってきます。来シーズンはピッチャー大谷としての期待もあります。ちょっと、けがの状況が心配ですが、松坂さんはどう見ますか?」 松坂さん
「言うのは勝手なんですけど正直、どんな成績を出しても驚かないですし、それだけの実力もピッチャーとして持っている選手だと思います。ただ、手術をして1年明けてからのシーズンになりますし、左肩も手術の具合も気になるので、ドジャースとしてはポストシーズンもしっかり見据えてイニング制限や球数制限を設けて慎重に大谷投手を起用していくんじゃないですかね」 大越キャスター
「我々、応援する側も欲張ってしまいますが、選手生命を長く過ごしてほしいのでしっかりと体のケアをしながら活躍してほしいですよね」 松坂さん
「すごい成績を残しながらも手術をしたりとかもあるので、やはりできるだけ大谷選手のプレーを見ていきたいですね」 徳永キャスター
「不思議なのは私たちが欲張ってあれもこれもと思っても、それを超えてくるのがまたすごいところなんですよね」

(「報道ステーション」2024年11月22日放送分より)

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