プロ野球の新人王は、記者などの投票で決まり、26日、都内で開かれた表彰式、「NPBアワーズ」の中で発表されました。
パ・リーグの新人王に選ばれた武内投手は北九州市出身の23歳。
正確なコントロールを武器に、国学院大から3球団競合の末、ドラフト1位で西武に入団した左ピッチャーです。
チームが打線の不振もあって低迷する中、開幕から先発陣の一角として勝ち星を積み重ね、10勝6敗の成績で西武のルーキーでは17年ぶりとなるふた桁勝利をあげたほか、防御率はリーグ2位の2.17をマークしました。
西武から新人王が選ばれるのは、おととしの水上由伸投手以来、2年ぶりです。
一方、セ・リーグの新人王に選ばれた巨人の船迫投手は、宮城県蔵王町出身の28歳で2年目の右ピッチャーです。
サイドスローから力のある直球と曲がりの大きなスライダーを投げ込み、今シーズンは中継ぎ陣の一角として51試合に登板して防御率2.37、26ホールドポイントと活躍しチームの4年ぶりのリーグ優勝に貢献しました。
巨人から新人王が選ばれるのはおととしの大勢投手以来、2年ぶりです。
武内夏暉「来期もどの部門でもタイトルねらう」
パ・リーグの新人王に輝いた西武の武内夏暉投手は「ことしの目標だった新人王を獲得することができて光栄に思う。開幕からローテーションに入ることができて結果的にふた桁勝利と規定投球回を達成できてうれしい」と喜びを語りました。
会見には今シーズンほとんどの試合でバッテリーを組んだ炭谷銀仁朗選手からプレゼントされたという茶色のスーツを着て登壇し、「着心地もとてもよく、自分で言うのもあれだが似合っていると思う」と笑いを誘いながら、「炭谷選手とバッテリーを組むにつれて自分の引き出しが多くなったというか、今までにない配球もあったのでそれでこの成績をおさめられたと感じている」とプロ19年目のベテランキャッチャーへの感謝を口にしました。
また、プロ1年目のシーズンの支えになったことついて聞かれると、「オフの日に大学の同級生や友達と温泉などに行ってリフレッシュしたことが気分転換になっていた」と話し、地元の北九州市の人たちについても「毎試合連絡をくれる人もいるし気にかけてくれる友達がたくさんいて、いつも支えられているなと感じたので、その人のためにも野球を頑張ろうという気持ちになっていた」と周囲への感謝の気持ちを話しました。
来シーズンに向けては、「ことしは体調不良などもあり1年間回ることができなかったので、来シーズンは1年間ローテーションを守って、ことし以上の成績を出す。どの部門でもタイトル争いをすることをねらっていきたいし、それだけレベルの高いピッチャーがたくさんいるのでそこに食い込めるような投球をしていきたい」と意気込んでいました。
船迫大雅「満足せずタイトルをねらっていきたい」
セ・リーグの新人王を受賞した巨人の船迫大雅投手は「今シーズンは、143試合全試合ベンチ入りを達成することができて、よく頑張ったと思う。素直にうれしい気持ちと、皆様に投票してもらい感謝の気持ちです」と喜びを語りました。
印象に残っている試合については9月14日のヤクルト戦で村上宗隆選手に特大のソロホームランを打たれた試合を挙げ「いつもと違う配球をしてしまい、テレビでも大々的にとりあげられるような特大ホームランになってしまって、いつもと違うことをしてはだめだとか、やるべき事について芯を通さないと事故が起きると学んだ」と話しました。
さらに、これまでの野球人生について聞かれると「甲子園常連校の聖光学院に無名の中学の3番手投手として入学して、体の大きい選手や力のある選手の中でやっていけるか不安だったが、技術面も人間としても学ぶことができ、プロ野球人生の原点といえる場所になった」と話しました。
そしてドラフト会議では3回の指名漏れを経験し、5位指名での入団から新人王をつかみとったことについて「大学4年生で1回、社会人2年目、3年目と指名漏れしましたが、そのとき、いちばん支えてくれたのは親や地元の人たちだった。そしてまわりの人たちが助言をしてくれて、諦めないという自分の道をつくってくれた」と感謝の気持ちを話しました。
今後の目標については「まずは日本一に貢献できるピッチングをすること。そして新人王をとれたことに満足せずタイトルをねらっていきたい」とさらなる成長を誓っていました。
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