来季から日本でプレーすることを4月に表明した米プロバスケットボールNBAグリズリーズに所属する渡辺雄太選手(29)の激励会が1日、母校の尽誠学園(香川県善通寺市)であった。渡辺選手は「誰でも壁にぶつかる瞬間はある。でもそれは成長しているから」と述べ、あきらめずに挑戦する大切さを語った。

 三木町出身の渡辺選手は尽誠学園時代、全国高校選抜優勝大会(ウインターカップ)で2年連続の準優勝に貢献。卒業後に渡米し、米国のジョージ・ワシントン大などを経て、史上2人目の日本人NBA選手として、ブルックリン・ネッツ、トロント・ラプターズ、フェニックス・サンズなどの強豪チームで計6シーズンプレーした。

 同校体育館で開かれた激励会では、全校生徒ら約800人を前に講演し、米国での計11年間の挑戦を振り返った。

 渡辺選手は「米国での生活は苦しい日々の方が多かった。結果が出ず、何度も壁にぶつかった」と吐露。しかし、「尽誠での自分と比べたときに、確実に成長している自分がいた。さらにその上を目指すからまた壁にぶつかる。人生はその繰り返し。壁にぶつかった時、僕の話を思い出してほしい」とメッセージを送った。

 生徒を代表し、男子バスケ部主将の川端拓海さん(3年)が「世界で活躍する渡辺さんは一生自慢の先輩です」とあいさつ。生徒会長の真鍋友菜さん(3年)は「渡辺選手は私たちの誇り。壁にぶつかることもあるが、日々励んでいきたい」と話した。

 善通寺市の辻村修市長も「来季からは日本でプレーするということで、子どもたちに刺激を与え続けてほしい。未来の大活躍を願っている」とあいさつした。

 その後、渡辺選手の恩師である男子バスケ部の色摩拓也監督が花束を贈り、最後に全校生徒と記念撮影に臨んだ。

 渡辺選手は激励会後、報道陣の取材に応じ、「先生方が急きょスケジュールを組んで頂き、開催してくれた。来季に向けて頑張るきっかけとパワーをもらった。本当に感謝です」と語った。(和田翔太)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。