「Jリーグアウォーズ」は10日夜、横浜市の「横浜アリーナ」で行われ、最優秀選手にヴィッセルの武藤選手が初めて選ばれました。

32歳の武藤選手は元日本代表のフォワードで、今シーズンは主に右サイドでプレーして、優勝がかかった最終節で追加点を決めるなどチームトップの13ゴールをあげました。

守りでも前線から激しいプレスをかけて、ヴィッセルの持ち味である素早いカウンター攻撃につなげるなど、J1連覇の立て役者となりました。

武藤選手は受賞のスピーチで「歴史と名誉ある賞をいただき、心よりうれしく思います。華やかな経歴に見えるかもしれませんが、けがや挫折を経て今があると思っています。さらに成長できるように地に足をつけて日々まい進していきたい」と語りました。

ベストイレブンも発表され、11ゴールをマークして、武藤選手と攻撃の2枚看板を担った昨シーズンの最優秀選手、大迫勇也選手は2年連続3回目の選出となりました。

また、最終節まで優勝を争った2位・サンフレッチェ広島の日本代表のゴールキーパー、大迫敬介選手や、右サイドバックで9ゴールをあげた鹿島アントラーズのルーキー、濃野公人選手などが初めて選ばれました。

得点王には24ゴールをあげた横浜F・マリノスのアンデルソン・ロペス選手が2年連続で輝きました。

最優秀ゴール賞は宇佐美貴史 10月5日の決勝ゴール

最優秀ゴール賞にはガンバ大阪のエース、宇佐美貴史選手が10月5日に行われた北海道コンサドーレ札幌戦で後半アディショナルタイムに決めた決勝ゴールが選ばれました。

この試合で宇佐美選手は1点を追う後半20分から出場。

試合終了間際のアディショナルタイムに同点のペナルティーキック、勝ち越しの決勝ゴールとたて続けに得点して、劇的な逆転劇を起こしました。

巧みなボールタッチとフェイントで相手2人をかわし、そのままシュートに持ち込んだ決勝ゴールは「ガンバの至宝」と呼ばれた天才肌の宇佐美選手らしい、流れるような動きから生まれ、今シーズンのすべてのゴールの中で最高の評価を得ました。

宇佐美選手は「今まで自分が決めたゴールの中でもナンバーワンだと思いますし、それを評価していただけて、本当にうれしく思う。これからも見ている人の心を動かすような、思い出になるようなゴールを決められるように頑張っていきたい」と喜びを語りました。

ベストヤングプレーヤー賞は高井幸大

Jリーグで今シーズン、最も活躍した若手に贈られる「ベストヤングプレーヤー賞」は川崎フロンターレのディフェンダー、高井幸大選手が受賞しました。

高井選手は横浜市出身の20歳。

身長1メートル92センチの体格を生かした1対1の強さに足もとの技術を兼ね備えたセンターバックとして、今シーズンはリーグ戦24試合に出場し、2ゴールをあげました。

パリオリンピックに出場した23歳以下の日本代表ではチーム最年少ながら主力を務め、ことし9月のワールドカップアジア最終予選の中国戦で日本代表デビューを飾るなど飛躍の1年となりました。

高井選手は「今シーズンは守備で、前よりボールを奪いにいけるようになったし、まわりも見えるようになってきたので、落ち着いてプレーできることが増えた。うれしいですし、もっと頑張らなきゃいけないなと思います」と今シーズンのプレーへの手応えを口にしました。

日本代表での経験にも触れ、「日本代表ではすべてを伸ばさなければ、スタメンを奪えないので、意識していきたい」とさらなる飛躍を誓いました。

ベストイレブンは7人が初受賞【選手一覧】

ベストイレブンは11人のうち7人が初受賞とフレッシュな顔ぶれとなりました。
J1で2連覇を果たしたヴィッセル神戸からは最多の3人が選ばれました。
ベストイレブンの一覧です。

《ゴールキーパー》
▽サンフレッチェ広島の大迫敬介選手。初めての受賞。

《ディフェンダー》4人 いずれも初受賞。
▽鹿島アントラーズの濃野公人選手、
▽ガンバ大阪の中谷進之介選手、
▽ヴィッセル神戸のマテウス・トゥーレル選手、
▽サンフレッチェ広島の佐々木翔選手。

《ミッドフィルダー》
▽柏レイソルのマテウス・サヴィオ選手。初めての受賞。

《フォワード》5人。
▽ヴィッセル神戸の大迫勇也選手と武藤嘉紀選手。ともに2年連続3回目の受賞。
武藤選手は最優秀選手にも輝きました。
▽ガンバ大阪の宇佐美貴史選手。9年ぶり3回目の受賞。
▽横浜F・マリノスのアンデルソン・ロペス選手。2年連続2回目の受賞。
得点王にも2年連続で輝きました。
▽鹿島アントラーズの知念慶選手。初めての受賞。

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