女子走高跳で24年ぶりの五輪出場に挑むのが去年のアジア選手権で4位、日本選手権で連覇をする等、国内では敵なしのジャンパー、髙橋渚(24、センコー)である。
173㎝の長身を生かしたダイナミックな跳躍の持ち主である。この種目で五輪出場すれば2000年シドニー五輪以来24年ぶりの快挙となる。
世界と戦うため、“安定力”強化へ
長年超えられていない高い壁を超えるためもう一つ武器を得ようとしているのが、跳躍、そして記録に対する“安定力”だ。これを培うため、全身を強化している。従来は下半身強化に重点を置きがちだが、上半身を鍛える事で全身の筋力バランスが整い、跳躍の安定感がアップするという。
髙橋:
全体的なベースアップが足りていない、体も足りていないし、全体的に足りていないって感じたので、冬はベースアップを優先してやるっていうのもそうですし、走力をあげて助走をもっと一歩一歩走れたりとか、その全体的なベースを…強みは必ず持っていないといけないなって思っていて、身長なんて世界と比べたら高い方ではないので。まだその強みっていうのは探し中ですけど、“安定力”を強味にしたいなと、…85㎝以上はいつでも飛べるとか、ある程度のベースまで上がったらそこ以下はない。選手によって差があるじゃないですか、試合に。この試合でよかったけど、その次はこんなに低いとか。そういうのが私はあんまりないですけど、どこでも基本的に同じくらい跳ぶっていうのは強味にしたい。1cmずつ挙げているじゃないですか、それをまぐれの記録にするのではなく、それを積み上げてきたからこそ出来ている跳躍にしたいので、それを安定させる事をやっています。
「やるようになって、パワーがついて跳躍が変わった感じがする」と効果は実感され、成果に現れる。 今年、自己ベストを更新し続けている髙橋(今まで1m85㎝がベスト、2月4日 1m86㎝、2月24日 1m87㎝と更新)は国際大会で表彰台(2月24日インターナショナル・トラック・ミートで銀メダル)にも登り、現在、世界ランク34位と五輪出場が見える位置にいる。【世界ランク32位以内】でその道は開かれる。
髙橋:
去年のシーズンでですかね…本当は25年の世界陸上を一番の目標に置いていたんですけど、そのために去年のシーズンでポイントを稼ぐっていうことを積極的に挑戦した上でどれだけ自分が稼げるのか挑戦してみて、世界のランキングを意識するようになって、そうしたら32番は入れたらオリンピック行けるのかって思ったら、目指すしかないなって思って意識するようになりました。元々、オリンピックなんてっていう、出られたら、もちろん出たいですし、出られるような選手だと思っていなかったので、今こういう挑戦ができていること自体ちょっとまだ驚きっていうか、ふわっとしている。
目標まであと1cm
24年分の壁は高い。しかし、一歩ずつ着実に、越えていく。
髙橋:
目標は1m88cmを飛んで、パリ五輪を目指しています。1m87cm飛んだので、88cmも行けると思っているんですけど、今までが1m85cmがベストだったので、1m88cmはちょっともう一段階上だと思っていた。いざ、1m87cm飛んでみるとそんな事なくて、 けれど1m88cmは“確実”に飛んで、1m90cmを何回も挑戦するということは必要な事だと思うので、目標として1m88cmを飛ぶって言っています。
女子走高跳 24年ぶりの五輪出場へ視界良好
パリ五輪へ出場するためには【世界ランク32位以内】【 日本選手権の順位】が主な選考条件となり、自らが切り開ける位置にいる。
髙橋:
目指す目標が変わってからそれに向かってやっているだけなので自分はそんなに変わっているつもりはないんですけど、オリンピックに出たい、一番大きなのはこれですね。
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