静岡県袋井市で3日行われた陸上10000メートルの日本選手権は男子は27分ちょうど、女子は30分40秒という参加標準記録を突破して優勝した選手がパリオリンピックの代表に内定します。
このうち、女子は去年の世界選手権代表の五島選手が序盤からハイペースで先頭付近でレースを進め、5200メートルすぎでペースメーカーの前に出てその後は独走しました。
五島選手は最後まで力強い走りでフィニッシュし、自己ベストを5秒以上更新する30分53秒31で初優勝を果たしましたが、参加標準記録には13秒余り届かず、今大会での代表内定はなりませんでした。
2位には去年の日本選手権で3位だった小海遥選手が入り、3位は兼友良夏選手でした。
一方、男子は社会人2年目で、創価大時代に箱根駅伝などで活躍した葛西選手が残り3周を切ったところでスパートをかけて先頭集団から抜け出し、そのまま逃げきりました。
葛西選手は自己ベスト20秒近く更新する27分17秒46のタイムで初優勝を果たしましたが、こちらも参加標準記録は突破できませんでした。
2位には去年の日本選手権に続き太田智樹選手が入り、3位には20歳以下の日本新記録となる27分21秒52の好タイムをマークした東京農業大の2年生で19歳の前田和摩選手が入りました。
今大会で優勝した五島選手と葛西選手は来月30日までに参加標準記録を突破すればパリ大会の代表に内定し、この条件以外でも世界ランキングによっては出場権を獲得することができます。
五島「悔しさの残るレースだった」
初優勝した五島莉乃選手は「パリオリンピックの参加標準記録を切って優勝することが今回の目標だったのでタイムを切ることができずに悔しさの残るレースだった」と涙をにじませながら話しました。
世界ランキングによってはパリ大会の出場権が獲得できることを踏まえて、「あとはランキングを祈るだけなので、夢が夢で終わらないようにまた練習を積んで頑張りたいと思う」と前を見据えていました。
葛西「走り勝ててよかった」
葛西潤選手は「走り勝ててよかった。毎回練習後に自分に拍手するがきょうは1番拍手した」と笑顔で話しました。
そのうえで「ラスト1000メートルから1200メートルぐらいからちょっとずつリズムを上げて逃げられればいいかなと思ったので、プランどおり走れてよかった」とレースを振り返っていました。
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