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 高校バスケの日本一を決める大会「SoftBankウインターカップ2024」が23日、開幕しました。男女合わせて48試合が行われます。

 その初戦で注目したのは、双子の阿部姉妹です。運命のいたずらでしょうか。最後の冬に初戦で対戦しました。

■双子の姉妹が交わした約束

小学生の時、同じチームでバスケを始める この記事の写真

 宮城県仙台市で生まれた双子の姉妹、阿部心愛選手(3年)と友愛選手(3年)。小さいころから、いつも一緒だった2人。小学生の時、同じチームでバスケを始めました。中学までの6年間、共に戦いましたが、15歳の時にそれぞれの道を歩み始めます。

心愛選手の思い 心愛選手
「一緒にやりたいところはあったけど、日本一、女王の桜花学園に挑戦したくて」 友愛選手の思い 友愛選手
「自分は、宮城に残って地元のチームを強くしたいという思いがあって。お互いを尊重して違う高校に行きました」 双子の姉妹が交わした約束

 姉・心愛選手は、愛知県にある、ウインターカップ優勝歴代最多の超名門・桜花学園へ。妹・友愛選手は地元に残り、インターハイベスト8の強豪・聖和学園へ。違う場所で、お互い自分を高め合ってきた2人。交わした約束は、ウインターカップの決勝で対戦することでした。

念願の対決が、まさかの初戦

 そして、高校最後の冬。思いもよらぬ運命が…。念願の対決が、まさかの初戦でした。

友愛選手の意気込み 友愛選手
「最初見た時は複雑だったんですけど。一番戦いたかった相手で、一番勝ちたい相手なので、どんどん上まで上がっていきたいです」 心愛選手の意気込み 心愛選手
「やれないウインターカップより、やって終われるウインターカップのほうがよかったから、ボコボコにしてやりたいと思います」

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■激突!双子の姉妹 最後の冬

■激突!双子の姉妹 最後の冬

 磨いてきた力を互いにぶつけ合う最後の舞台。

 試合には2人の両親も駆け付け、それぞれの応援席から見守ります。

聖和学園の友愛選手(手前)をマークする桜花学園の心愛選手

 第1クオーター。聖和学園は、妹・友愛選手にボールが渡ると、ドライブで切り込んでポイント。

 姉・心愛選手とのマッチアップでは、持ち味のジャンプシュートを決め、リードを広げます。

 追いかける桜花学園。今度は姉・心愛選手がみせます。妹へのパスをカットして、そこから一気にゴールへ。違う場面ではリバウンドを拾って決めました。名門を率いるキャプテンとして、コートで躍動。桜花学園が試合をひっくり返します。

 第3クオーターに入ると、妹・友愛選手がスリーポイント。さらに、もう1本。積極的に攻め、食らいつきます。

 再びマッチアップすると、勢いに乗る妹を、姉がブロック。念願だった直接対決で、2人は全力でぶつかり合います。

 そして試合終了。勝ったのは姉の桜花学園でした。

 別々の道を進んだ2人が、同じコートで戦った最後の冬。互いにチーム最多得点をマーク、健闘をたたえ合いました。

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■最後の冬は涙の決着

■最後の冬は涙の決着

もらい泣きする心愛選手 心愛選手
「(Q.お姉ちゃんの涙はどんな涙?)妹が引退って考えると、自分たちが勝って妹が負けてしまったところがつらいので、もらい泣きですかね」 姉に託した想い 友愛選手
「もう絶対優勝して。優勝しかないから」 心愛選手
「します、します」

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■“たった5人”で挑む男子・和歌山南陵

■“たった5人”で挑む男子・和歌山南陵

 渡邊雄太選手(30)が観戦したのは、母校、香川の尽誠学園。大先輩が見守るなか、後輩たちも奮起します。ナイスシュートに渡邊選手も拍手。しかし声援及ばず、1回戦敗退となりました。

 八村塁選手(26)の母校、宮城・仙台大明成の試合は劇的な結末となりました。試合終盤2点を追うなか、残り時間は2秒。同点のゴールかと思われましたが、ブザーが鳴った瞬間、ボールが離れていなかったため得点は認められず。去年のインターハイ王者、山梨・日本航空に敗れました。

 続いても男子の試合です。ベンチから見守る選手たち、手前のベンチには誰もいません。

和歌山南陵

 実は、和歌山南陵は部員6人で出場を決めたチームです。これだけでも驚きですが、大会前に留学生が帰国したため、メンバーギリギリの5人での1回戦となりました。たった5人でも、和歌山県大会を勝ち抜いた実力は本物です。

両チーム最多の21得点を挙げた和歌山南陵の中村選手(左)

 立て続けに、中村允飛選手(3年)がスリーポイント。第4クオーター、最大9点差から2点差に詰め寄ります。

 しかし、ここでアクシデント。ファイブファールで、紺野翔太選手(3年)が退場。本来はメンバー交代ですが、4人で戦うしかありません。

 バスケの数的不利は致命傷。相手の長崎工業はフレッシュなメンバーに交代しながら徐々に点差を広げていきます。それでも和歌山南陵は、最後まで攻め続けます。

 試合終了間際にはブザービーターで3ポイント。ウインターカップのコートに、その証しを刻みました。

和歌山南陵はメンバー全員が3年生

 和歌山南陵はメンバー全員が3年生のため、これが最後の冬、引退となります。

 試合直後はベンチで10分ほど泣いていた5人ですが、最後は「この5人だったから諦めず戦えました」と話し、とてもすがすがしい表情で大会をあとにしました。

高校バスケ日本一決定戦
SoftBank ウインターカップ2024
女子決勝 12月28日(土)午前11時〜 BS朝日で生中継
男子決勝 12月29日(日)ひる12時〜 テレビ朝日系列地上波で生中継

(「報道ステーション」2024年12月23日放送分より)

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