春季埼玉県高校野球大会(県高野連主催、朝日新聞社後援)は4日、県営大宮球場で準決勝があり、花咲徳栄と昌平が決勝に進んだ。決勝は同球場で5日午前10時から。両校は18日から群馬県である関東大会に出場する。(山田みう、恒川隼)
春日部共栄は4点差を追う七回裏、2死二、三塁。この日チームは既に4失策していたが、野口流維(3年)はリラックスして打席に入った。ベンチからは「落ち着いていこう」「絶対打てる」との声が聞こえた。「ここで打てば(チームが)乗るな」と思った。
直感を信じ、狙い球はストレートに絞った。内角低めの直球をたたくと、勢いよくセンター前へ。高田憲志(3年)の生還につながり、一塁上でベンチに向かって拳を突き上げた。
昨秋はベンチ入りできなかったが、メンタル面の強化が課題と捉えた。冬の間、きつい走り込みで、我慢強さや試合後半もばてずに集中し続ける力を身につけた。七回の場面は「4点も取られて、むしろ割り切れた」と振り返る。
チームはその後に勢いづいたが、あと一歩届かなかった。「後半は声を出しあってチームで一つになれた。楽しかったです」と笑顔を見せた。
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山村学園の西川歩(3年)の武器は140キロ超の直球。昨秋の県大会でも対戦した花咲徳栄が、この球を狙っていることは分かっていた。だからこそ、去年から磨いてきた変化球を織り交ぜた。八回までは3失点に抑え、10奪三振。
ただ、九回につかまった。先頭の7番打者は抑えたものの、「絶対に1番まで回したくない。そうやって後のバッターのことを考えたら、体が硬くなって腕を振り切れなかった」。次の打者に四球を出した所から崩れ、この回に5失点した。
「左バッターへのコントロールなど改善すべき点がある。夏に向けて、他のピッチャー陣とできることをやっていきたい」と語った。(恒川隼)
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