武居選手は3年前に格闘技の「Kー1」からボクシングに転向し、破壊力のあるパンチを持ち味にここまで8試合すべてでノックアウト勝ちを収めて、WBO=世界ボクシング機構バンタム級5位につけていました。

そして6日夜は東京ドームで行われた世界タイトルマッチに臨み、チャンピオンでオーストラリアのジェーソン・モロニー選手と対戦しました。

世界タイトルマッチ初挑戦の武居選手は序盤から強烈な左のボディーを繰り返し打ち込み、主導権を握りました。

中盤以降には距離を詰められ、相手の反撃に苦しむ時間もありましたが、武居選手は終盤までパンチを出し続けて12ラウンドまで戦い、3対0で判定勝ちしてデビューから9戦全勝で世界チャンピオンに輝きました。

この結果、バンタム級の主要4団体の世界チャンピオンは日本選手が独占することになりました。

また、WBA=世界ボクシング協会バンタム級の世界タイトルマッチは、去年、2階級で4団体統一を果たした井上尚弥選手の弟でチャンピオンの井上拓真選手が、WBA1位の石田匠選手との日本選手対決を3対0の判定で制して2回目の防衛を果たしました。

また、同じく日本選手対決となったWBAフライ級の世界タイトルマッチは、チャンピオンのユーリ阿久井政悟選手がWBA3位の桑原拓選手に3対0の判定で勝ち、初めての防衛を果たしました。

3つの世界タイトルマッチは井上尚弥選手のスーパーバンタム級4団体統一王座の防衛戦とともに行われ、東京ドームでの開催はヘビー級の元統一世界王者のマイク・タイソンさんがノックアウトで敗れた試合以来、34年ぶりでした。

武居「ノックアウトで勝ちたかった」

新チャンピオンとなった武居由樹選手は「12ラウンドは結構きつくて、ノックアウトで勝ちたかったが、相手が本当に強かった。それは試合前から分かっていて厳しい練習をしてきたのでそのおかげで強くなれた」と試合を振り返りました。

井上拓真「もっと強いチャンピオンに」

2回目の防衛を果たした井上拓真選手は第1ラウンドでダウンを奪われたものの、その後は的確なパンチでポイントを重ねた試合を振り返り「きょうは競り勝てたことだけが収穫であって、こんな内容ではいけない。しっかり課題を振り返ってもっと強いチャンピオンになりたい」と話していました。

ユーリ阿久井「無心で練習してただ強くなりたい」

初めての防衛を果たしたユーリ阿久井政悟選手は「勝つことができてほっとしている。終盤、ボディーも効いていたので倒したかった気持ちはあるが、相手のいることで相手が頑張った印象だ。これからも無心で練習してただ強くなりたい」と笑顔で喜びを語りました。

また、東京ドームで世界タイトルマッチが開催されたことについては「場所は関係ないと思っていたが、いいパンチが入ったときに歓声が遅れてくるような、ドーム会場ならではの雰囲気を味わうことができてよかった」と振り返りました。

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