新しいスタジアム「エディオンピースウイング広島」の開業から3か月…。ピッチに立つ選手たちは、どんな思いで試合に臨んでいるのでしょうか。満員のスタジアムで広島のゴールを守る「この人」に聞きました。
サンフレッチェ広島 大迫敬介 選手
「観ているお客さんはよりサッカーが見やすくなったと思いますし、いろんな演出もあって、そういったものを楽しんでもらえるのかなと思います」
構想からおよそ20年、ついに完成した夢の器。そのピッチでプレーする選手の1人が、サンフレッチェ広島の守護神・大迫敬介 。高校時代からサンフレユースでプレーし、今では日の丸を背負うほどに成長したゴールキーパーです。
その大迫が新スタジアムで真っ先に感じたこととは…
大迫敬介 選手
「やっぱり観客席との距離が近いだけでこんなに自分たちへのパワーの伝わり方が違うんだなというのはすごく驚いています」
新スタジアムの特徴の1つがピッチから最短で8メートルのスタンドです。そこからサポーターが送る声援は、今まで以上に選手を後押ししています。
大迫敬介 選手
「サッカー専用スタジアムというだけで自分たちもアウェイチームでも気持ちは盛り上がりますし、ただ、やっぱり雰囲気はアウェイなので。それがサッカー専用スタジアムの雰囲気がホームとなると、今までほかのチームがこういった中でプレーしていたのかと思いますし、相手チームの話を聞いても『すごくやりやすいけど、雰囲気はやりにくい』というふうに言ってもらえるので、そういうのはすごく自分たちの味方になっているのかなと思います」
新スタ “こけら落とし” から早3か月…。その中で大迫の印象に深く残っているのが、街中でサポーターの熱狂を呼んだ開幕戦。夢の器での歴史的な一戦で、選ばれし紫のイレブンがピッチに足を踏み入れます。
大迫は、手術の影響でプレシーズンマッチには間に合わなかったものの、開幕戦には出場。守護神として無失点勝利に貢献しました。
実況
「守れるか。前を向いた。シュート。大迫! ナイスキーパー! ここはファインセーブを見せました。ここは大迫のすばらしい守備」
大迫敬介 選手
「今まで以上に周りの方々の期待だったりというのが大きかったのを感じましたし、浦和レッズ戦の自分にとっての最初の左手のセーブは、ぼく自身も正直、不安もあった中でのプレーだったので、あの一発で自分自身もプレーに乗りましたし、しっかりとゲームに入れる、1つ大きなきっかけになったプレーだったと思います。なにより新スタジアムでまずは初勝利を早く挙げたいっていうところでみんな思っていたので、その中で開幕戦で勝てたっていうのは、ほっとした気持ちがすごく大きかったです」
サンフレッチェ広島 大迫敬介 選手
「やっぱり優勝したいですね。まだ2年連続でリーグ戦は3位というところで、あと一歩のところで優勝を逃しているので、この新スタジアム1年目という勢いも自分たちが借りて、新スタジアム1年目で優勝できれば、その歴史に自分たちの名を刻めますし、よりサッカーが盛り上がると思うので、ことしはなんとしても優勝したいと思っています」
感じる変化はスタジアムの中だけではありません。日本で初めての「まちなかスタジアム」として作られたエディオンピースウイング広島。その存在はスポーツという枠にとどまらず、広島の街に活気をもたらしていました。
大迫敬介 選手
「自分が行ったときもサポーターだったり、ほかのお客さんもたくさんいて、そのときも平日の日だったんですけど、平日でもこれぐらい人が入っているのだというのはすごくびっくりしたのを覚えています。ぼくらはふだん、ピッチでプレーしていますけど、休みの日でもスタジアムにたくさんのお客さんが散歩だったりグッズショップに足を運んでくださっているというのを聞いて、街中にスタジアムが移るだけでこんなににぎわい方が違うのかなと思いますし、うれしいことに自分たちのグッズっていうのもすぐに完売してしまうような状況と聞いて、やっぱり、このスタジアムの効果は大きいのかなと思います」
今後も楽しみが満載の新スタジアムですが、その中でも盛り上がりが予想されるのが、6月11日に行われるサッカー日本代表のワールドカップ予選。チケットがたった2時間で売り切れるなど、日本中のサッカーファンが広島の街に集うことが予想されます。
大迫敬介 選手
「日本代表としてメンバーになんとしてでも選ばれて、あのエディオンピースウイング広島で日本代表としてプレーしたいなという思いがより強くなりましたね。自分としてはワールドカップに出たいので、そのためには常に代表のメンバーに入って、入るだけじゃなくて、そこでプレーすることが大事なので、そのためには自チームでの自分のパフォーマンスを常に出し続けないといけないので、そういった目標を持ちながら常にチームではプレーしています」
新スタジアムを中心にさらなる盛り上がりが期待される広島の街。広島で活躍するスポーツ選手として、大迫はその新たな器に夢を託します。
大迫敬介 選手
「自分たちの期待ももちろんそうですし、今まで自分たちのサッカーを見に来たことがないようなお客さんも自分たちのサッカーを見て、よりサッカーが好きになってもらえたらうれしいですし。サッカーをはじめ、いろんなスポーツが広島では行われるので、そういったスポーツを見て、みんなが笑顔になってくれればうれしいなと思いますね」
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青山高治 キャスター
日本代表の守護神としての大迫選手の姿をピースウイングで見たいなと思いますけど、あらためて “夢の器” 、スタジアムという箱の持つ力というのを感じます。
コメンテーター 平尾順平 さん(ひろしまジン大学 代表理事)
大迫選手がおっしゃっていましたけど、客席とピッチの距離がきゅっと短くなったことによってサポーターと選手の距離も短くなりましたけど、あの “まちなかスタジアム” ができたことによって街とサッカーの距離もぐっと近くなった感じがすごくします。街中を紫のユニホームを着た人たちが歩いていると、「ああ、きょう、試合なんだ」と思ったりしますから。
中根夕希 キャスター
もともと、もちろん野球とともにサッカーも人気で、みなさん、応援していたと思うんですけど、物理的な距離が近くなったことでこうも心の距離も近くなるんだというくらい。しかも大迫選手も感じているように “パワーの伝わり方が違う” っていう、新しいスタジアムだからこそのいい効果が生まれていることを身近に感じます。
青山高治 キャスター
この新スタジアムでは初めての平日ナイターが来週15日にあるんですが、車いす席を除いて全席完売しているんです。平日のゲームの完売っていうのは、Jリーグが始まったとき、あの開幕直後以来のことなんです。
中根夕希 キャスター
へえー。
平尾順平 さん
30何年ぶりってことですね。
青山高治 キャスター
これが、平日のナイターのあとの人の流れであったり、経済効果であったりとかっていうのも “まちなかスタジアム” として注目されます。
平尾順平 さん
その日にカープがあるのかどうかも気になりますけど、街の中のお店も遅くまで開けるんですかね。
青山高治 キャスター
どんな人が来るんだろうっていう、そのあたりも初めての平日のナイターを楽しみにされている方も多いんじゃないでしょうか。
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