女子野球「はつかいちサンブレイズ」の特集をお届けします。はつかいちサンブレイズは、広島・廿日市市が「女子野球タウン」に認定されたことをきっかけに2022年に始動しました。

監督は、“女子野球界のレジェンド”・岩谷美里 です。実は日本にもかつて女子プロ野球がありました。その際にホームラン・打点・打率の三冠を獲得しました。世界初の三冠女王としてギネス記録に認定されています。

女子硬式野球は、高校・大学・社会人チームが同じ大会で戦います。1試合7イニング制と、プロ野球よりイニング数は短くなっています。主な試合ですが、(1)中四国で1年を通して戦う「ルビーリーグ」、(2)子規杯などの各大会、(3)全日本選手権大会があります。

去年のはつかいちサンブレイズは、こんな成績を残しました。ルビーリーグは優勝しました。子規杯はベスト4まで勝ち上がって、雨でゲームが流れてしまい、残った4チーム全て優勝となりました。全日本選手権大会については2回戦で敗れています。

はたして、ことしはどうなのか? はつかいちサンブレイズ、今シーズンにかける思いを取材しました。

郊外の山あいの団地に野球に打ち込む選手の声がこだまします。女子の公式野球チーム「はつかいちサンブレイズ」。女子野球の発展と女性が活躍できる場所の拡大を目指し、2022年に始動したチームです。

取材に行ったこの日は、広島市の警備会社のCM撮影も行われていて、応援の輪は着実に広がっています。

去年はルビーリ-グで中四国の王者に輝き、ことしは連覇を目指して練習を重ねています。

監督は、女子野球で “世界初の三冠女王” に輝いた 岩谷美里 。

チ-ムの要は去年、行われた女子野球ワールドカップ・グループステージで日本代表に選ばれた 村松珠希 。強肩と勝負強いバッティングでチ-ムを引っ張ります。

はつかいちサンブレイズ 村松珠希 選手
「中四国のルビーリーグ自体は優勝できたのでよかったかなと思うんですけど、やっぱり大きい大会でタイトルを取れなかったというのがちょっとくやしい部分は残っています」

はつかいちサンブレイズ 岩谷美里 監督
「緩急を使ったピッチングでコントロールもかなりいいので、打たせて取るっていうのが持ち味のピッチャーなんですけど、やっぱりどんな場面でも安心して任せられるというところがあるので、これからどんどんシーズンで投げてもらって、チームの勝利にすごく貢献してくれるかなっていうふうに期待しています」

広島出身で今回、広島に帰ってきた坂東投手。彼女の野球歴をたずねると…

はつかいちサンブレイズ 坂東瑞紀 投手
「小学校2年生から男子に混ざって野球を始めました。楽しくて、3年生のときにピッチャーになりたいっていう目標ができて、ピッチャーになるために一生懸命練習したっていうのが野球にのめり込むきっかけになりました」

「中学校から高校になったときに野球を続けたいけど、地元でやるとなったら男子の中でとなる中で女子は甲子園にも出られないし、試合にも公式戦にも出られないっていうのを知ったので、なんとか野球をやる環境を探していた中で調べたら全国に5校しかなくて、あるのが関東か鹿児島になったので、自分がやりたい雰囲気のある高校に行きたいと思って、県外でやるっていう形になりました」

女子野球ができる喜びをかみしめる選手たち。練習ではつらつと汗を流す 鶴見栞奈 も、野球に打ち込める環境を求め、広島にやってきた新加入選手です。

はつかいちサンブレイズ 鶴見栞奈 選手
「九州の方で野球をしていたんですが、わたしは年齢的にも最後になるかなっていうのがあったので、最後は悔いなく野球に集中できる環境で野球がしたいっていう思いから入らせていただきました」

ことし、9人の新入団選手を迎え、20人のチームとなったはつかいちサンブレイズはさらなる飛躍を目指しています。

岩谷美里 監督
「みんなも力をつけてきてっていうところもあるので、すごくチームの雰囲気とか状況は今まで以上にいいのかなというふうに感じています」

村松珠希 選手
「もちろん、ルビーリーグ自体は連覇したいっていうのもありますし、日本一を取れるようにがんばりたいと思っています」

打線もつながり、投打がかみ合ったサンブレイズは7対0、5回コールド勝利となりました。

準決勝は、台湾からの招待チーム(接棒未來)との対戦。1対1のまま、延長戦タイブレークに突入。8回ウラ、サンブレイズはランナー3塁・2塁とし、代打・寺島百香 。緊迫した場面でスクイズを決め、劇的なサヨナラ勝利をおさめます。

そして、迎えた決勝は、岡山の強豪・瀬戸内ブルーシャインズ。5対4と1点リードを許し、土壇場となる最終回ウラ、ノーアウト・3塁・2塁。迎えるバッターは、村松。

強い当たりはセカンドのグラブをはじき、劇的な逆転サヨナラタイムリー。今シーズン序盤の大事な大会、子規杯をみごと優勝で飾りました。

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伊東平 アナウンサー
さっそく優勝しましたが、野球にかける思いを感じました。

青山高治 キャスター
劇的な勝ち方でしたし、練習中も試合中もみなさん、すごくいい表情をしています。

コメンテーター 木村雅俊 さん(中国新聞社 編集委員室 特別委員)
ねえ。生まれた県に帰ってきて、また投げるっていう姿。背番号15っていうのもなんとなく連想させるものがあります。

伊東平 アナウンサー
はつかいちサンブレイズは、SNSで自分たちの活動を発信したり、「サンブレイズカフェ」って場所がありまして野球以外の活動にも取り組んでいるということでした。ルビーリーグは、6月9日に次のゲームがあります。広島市佐伯区のサンブレイズボールパークで行われます。

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