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 先月、日本代表からの引退を発表したバドミントンの桃田賢斗選手です。今月8日に最後の代表活動を終え、帰国したばかりの桃田選手に話を聞きました。29歳の若さで代表引退となりましたが、一切の迷いはありませんでした。

■代表引退「肩の荷が下りた」

内田篤人さん
「代表引退お疲れ様です」 内田さん
「最後の代表戦はどんな気持ちで臨んだんですか?」 桃田選手
「代表引退会見から肩の荷が下りたというか」 内田さん
「やっぱ続けようかなとは思わなかったですか?」 桃田選手
「全くなかったです(笑)」

 先週、中国で行われた国別対抗戦、トマスカップ。日本は準々決勝敗退となったものの、桃田は出場した3試合で全勝。

 頂点を極めたヒーローの最後の雄姿に、大声援が送られます。

 さらに、国際バドミントン連盟は異例の引退会見を行い、会場には入りきれないほどの記者が駆け付けました。 マレーシア記者
「マレーシアのファンは相手が地元選手でも桃田を応援します。まれにみる才能の持ち主だったと思います」 インドネシア記者
「とても悲しいですが、彼の決断を尊重したいと思います」 内田さん
「世界の反応がすごい」 桃田選手
「めちゃくちゃ応援してもらえて、それがうれしかったですね。この10年間本当に頑張ってきてよかったなって思えた瞬間でした」

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■ギネス記録樹立 無敵誇るも事故に遭い…

■ギネス記録樹立 無敵誇るも事故に遭い…

内田さん
「1番印象に残ってるシーンとかありますか?」 桃田選手
「(2018年)ジャパンオープン初優勝。2016年の時に違法賭博で無期限の出場停止から復帰して、勝っても祝福してもらえないんじゃないかなとか、いろいろ考えながら試合をしているなかで、優勝した時に観客の人たちがすごく拍手を送ってくれたのが今でも結構覚えてて」

 桃田が無敵を誇っていたのは2019年。世界バドミントン連覇など、国際大会年間11勝というギネス記録を樹立。

 しかし翌年、マレーシアで交通事故に遭い、シャトルが二重に見える症状が出るなど、手術を余儀なくされます。

 1年後には実戦復帰し、東京オリンピックに出場しますが、予選リーグ敗退という、まさかの結果に…。

 復活が期待されるなか、放送しないことを前提に当時の状況を明かしていました。

桃田選手(2022年4月)
「(Q.具体的にどういうところが戻ってないか?)これは嘘つかないほうがいいですよね? (最近)目を診てもらったときに二重に見える範囲がやっぱりあって、完全には治ってない。何をしてもどうあがいても、前の自分に戻ることはできない」

 目の症状が完治していないことをひた隠し、再び世界のトップへ返り咲くために、もがき続けました。

桃田選手
「僕はもう体感ですけど、(目の症状は)回復しないと思っていました」 内田さん
「それはなんで公言しなかったんですか?」 桃田選手
「口にして逃げたくない。ちょっとでも隙を見せたくないなっていう気持ちがありました」 内田さん
「だから『肩の荷が下りた』ということが分かる気がします」

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■今後は“親近感”のある人に

■今後は“親近感”のある人に

内田さん
「今後、ファンや皆さんにはどんな姿を見せたいですか?」 桃田選手
「もっと“親近感”のある人間になりたいなと思います。ジュニアの選手たちともっとシャトルを打ちたい。いろんな子どもたちと触れ合いたい。スポーツ全般として体を動かす楽しさっていうのをいろんな人に感じてもらいたい」 内田さん
「でもこれからのバドミントン人生の方が楽しいかもしれないですね。純粋に」 桃田選手
「選手のときと引退してから、どっちが楽しいですか?」 内田さん
「どっこいかもしれないですね。結構、引退後楽しいですよ」 桃田選手
「本当ですか?それ聞けただけでうれしいです(笑)」

(「報道ステーション」2024年5月9日放送分より)

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