(12日、春季近畿地区高校野球大会大阪府予選決勝 大阪学院大4―1興国)

 四回表、同点に追いつきなおも1死二塁。

 「ここで打ってヒーローになりたい」。大阪学院大の4番・中山悠紀選手(3年)は打者有利のカウントに、直球に狙いを定めた。3球目、内角に来た「どんぴしゃ」の球を左前に運び、勝ち越しに成功。一塁上でベンチに向かってほえた。

 もともと投手として入部したが、打撃の良さを買われて1年生の時には三塁手に絞った。

 180センチと恵まれた体格を生かせるよう、コーチの指導の下、打撃フォームの改善と基本の繰り返しを欠かさなかった。バットを下げない、軸足をためる。一つずつクリアしていき、昨秋から4番に起用された。

 4回戦では「大阪2強」と呼ばれる履正社相手に、走者一掃の適時打を放ち3打点を挙げた。だが、準々決勝の大阪桐蔭戦では硬さが出てしまい、無安打に終わった。

 目標として掲げる「得点圏で打つ」ためには、「割り切って野球を楽しもう」。原点回帰した姿勢が功を奏し、この日4打数3安打とチームの優勝に貢献した。

 「大阪2強」に勝ち、府予選で優勝もした。

 「素直にうれしいけど、『大阪学院大の時代が来た』と言い切るにはまだ早い」。近畿大会で優勝したら、自信を持ってそう言うつもりだ。(西晃奈)

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