大王製紙の若林頼房社長は北越コーポレーションとの提携について「生き残りをかけて関係を保つ」と強調した

大王製紙の若林頼房社長は16日、オンラインで中期経営計画などについての説明会を開いた。その中で15日発表した北越コーポレーションとの業務提携についてふれ、「生き残りをかけて両社でウィンウィン(相互利益)の関係を保つ」と強調した。

大王紙は北越コーポと、生産技術や原材料購買、製品物流の分野で業務提携した。コスト削減を進め、2027年3月期に営業利益ベースで北越コーポは約30億円、大王紙は約20億円のそれぞれ引き上げを目指す。若林氏は「さらに一歩踏み込むことで、次の段階にいけると考えており、真摯に協議していきたい」と述べた。

両社は過去に裁判で争うなど対立していた時期もあった。国内の紙需要が先細り、製紙業界の事業環境は厳しさを増していることから「そんなことを言っている場合ではない」(若林氏)として、業務提携の契約を結んだと説明した。23年9月に両社で秘密保持契約を結び、議論してきたという。

業務提携にあわせて、北越コーポは保有する大王紙株を売却する方針も発表した。時期や具体的な方法は大王紙と協議して決定する。協議の進捗について若林氏は「現時点では進んでいない」と述べた。

【関連記事】

  • ・北越コーポ、物言う株主と神経戦 大王紙株一部売却検討
  • ・大王製紙、三島工場に新ボイラー 廃棄物燃料でCO2削減

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。