EV向け電池などのデータを共有する(写真は日産のEV)

自動車・蓄電池トレーサビリティ推進センター(東京・港)は16日、車載電池の二酸化炭素(CO2)排出量のデータなどを会員企業間で共有できるサービスを始めたと発表した。会員募集も始めており、既にトヨタ自動車や日産自動車など自動車大手14社などが参画した。欧州では電池のCO2排出量の開示が求められており、データ共有で規制に対応しやすくする。

7日からサービスの提供を始めた。ホンダやスズキなど自動車大手のほか、自動車部品や電池の業界団体も会員に参画している。

電池メーカーや部品メーカーなどが生産から廃棄までに出るCO2を示す「カーボンフットプリント」をそれぞれデータの共有システムに入力し、それらを合算し車載電池全体のCO2排出量を把握できるようにする。ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使い、競合他社から自社データを閲覧できないよう担保する。

欧州では2025年にも電池規制が導入され、電動車の車載電池のカーボンフットプリントを開示するよう求められる。会員が共有したデータを使うことでカーボンフットプリントを把握しやすくなる。将来的にCO2排出量以外のデータを共有できるようにもする。

政府が進める「ウラノス・エコシステム」と呼ぶ独自の産業データ基盤開発の初の事例となる。将来的に欧州の別のデータ基盤と連携することも目指す。

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