老舗和菓子店「乃し梅本舗佐藤屋」の本店で「ネッツ山形コイン」の利用実演をした(15日、山形市)

自動車販売のネッツトヨタ山形(山形市)は、独自の地域通貨「ネッツ山形コイン」の運用を始めた。同社店舗で新車や中古車を買った人が受け取り、県内加盟店での買い物に使えるようにした。顧客を自社で囲い込まず、地域の店の利用を促して山形県経済を活気づける。

「ネッツ山形コイン」はトヨタ自動車のグループ会社、トヨタファイナンス(名古屋市)と連携して発行する。1月以降にネッツトヨタ山形で自動車を買い、取り組み趣旨に賛同した人に新車なら3万3000円分、中古車なら1万1000円分のコインを付与している。

利用時はスマートフォンで専用サイトにアクセスし、加盟店に設置したQRコードをカメラで読み取る。入力画面に商品やサービスの支払金額を入れ、店が確認して決済する。

加盟店は初期費用や手数料を負担することなく、来店客数や販売を増やせる。15日時点の加盟店数は709。地元食品スーパーのヤマザワや、山交ハイヤーや八千代交通といったタクシー会社などでも使える。

県内に11あるネッツトヨタ山形の店舗では使えない。

ネッツトヨタ山形の高橋社長㊧は「未来もひらく地域通貨にしたい」と意気込んでいる(15日、山形市)

ネッツトヨタ山形の高橋修社長(山形商工会議所副会頭)は、山形市中心部にある老舗菓子店「乃し梅本舗佐藤屋」の本店で利用実演した。「売り手、買い手、世間に加え、未来も含む『四方よし』を実現する地域通貨に育てたい」と意気込んだ。

同店を経営する佐藤松兵衛商店の佐藤慎太郎社長は「新規客獲得につながるうえ、売り上げがすべて加盟店に入るのはとてもありがたい」と話している。

ネッツトヨタ山形は2026年のコイン流通量を1億円分と、現在の5.5倍に増やすことを想定している。今後は加盟店をさらに増やすとともに、車検やタイヤ交換などで同社を利用した人にコインを付与することも検討する。

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