日産は環境負荷を抑えたアルミ利用を拡大する(日産の電気自動車)

日産自動車は17日、車両に使用するアルミニウムの全量を2030年までに製造時の二酸化炭素(CO2)排出が少ないタイプに切り替える目標を発表した。リサイクルしたアルミ製部品などを調達する。アルミは車両重量の約10%を占める主要素材だが、製造時に大量のCO2が出て環境に負荷がかかっているのが課題だった。

24年度から日本と米国、欧州の工場で製造時のCO2排出を抑えたアルミで作られたサスペンション部品やホイールなどの調達を始める。24年度末時点で同地域で新たに製造されるアルミのうち、2割ほどが低CO2のタイプとなる。27年度からは世界で生産する全ての新型車向けに低CO2のアルミ部品を調達する。

日産はこれまでも神戸製鋼所とUACJから低CO2アルミを調達してきたが、車両への採用は電気自動車(EV)の「アリア」など一部車種のパネル向けに限られていた。

アルミは鋼材よりも軽いのが特長で、中長期的に自動車への採用が拡大する見通し。ただ製錬時に大量の電力を使用し、環境負荷が高かった。日産は使用する電力を非化石由来に切り替えた「グリーンアルミニウム」や、リサイクルしたアルミを使いCO2排出の削減を目指す。グリーンアルミは従来比約50%、リサイクル品は約95%のCO2を減らせる。

自動車メーカーは車両生産時の直接的なCO2排出量だけでなく、素材調達まで含めた排出量を削減することが求められている。日産は50年までに、車の原材料採掘から再利用時までのライフサイクル全体のCO2排出を実質ゼロにすることを目標にしている。

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