20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が17、18両日、米ワシントンで開かれる。国際開発金融機関(MDBs)の改革や気候変動対策の資金面の課題などを協議する。2月の前回会合では、ウクライナや緊迫化する中東などの課題を巡り意見の溝が埋まらず、共同声明を採択できなかった。議長国ブラジルは、今会合では共同声明の取りまとめを見送る方針だ。

ブラジルは今回、飢餓や貧困に焦点を当て、格差是正に向けた課税の在り方などの議論に注力したい考え。日本からは、鈴木俊一財務相と植田和男日銀総裁が出席する方向で調整中だ。鈴木氏は12日の閣議後記者会見で「積極的に議論に参加し、国際協調の強化に努めていきたい」と述べた。

外国為替市場では歴史的な円安が進行しており、会議や記者会見では為替に関するやりとりも注目されそうだ。

G20に合わせ、日米欧の先進7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議も、当地で開催する見通しだ。議長国イタリアは共同声明の発出を目指し、議論を進める。

G7ではウクライナ支援と対ロシアの経済制裁に関する連携を確認する。制裁で凍結したロシア資産の活用に関し、鈴木氏は「国際法に抵触しない形」での実施が必要とする日本の立場を説明。このほか、パレスチナ自治区ガザの危機や紅海情勢など、世界経済の不確実性を高める地政学的な問題に関する認識についても共有を図る。

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