北九州市内に産業廃棄物のリサイクル施設を持つアミタホールディングス(HD)はインドの環境・インフラ開発大手のラムキーグループと連携し、インドで廃棄物をセメント向け原燃料に再生する事業に取り組む。まずインドの2都市で事業可能性調査を実施する。北九州エコタウン事業の手法を「輸出」して、世界の成長地域の脱炭素化につなげる。
両社の代表者が22日、北九州市の武内和久市長に事業計画を報告した。同市は2023年にラムキーグループと連携協定を結んだ。今回の事業化調査には、同市と両社などが共同で受託した環境省「脱炭素社会実現のための都市間連携事業」の2000万円を充てる。
調査対象とするのはインド中部のハイデラバード市と東海岸のヴィシャーカパトナム市。IT産業や製鉄業が盛んでラムキーグループが事業を手掛けている。アミタHDはスラグや汚泥など4000種類の廃棄物を組み合わせ、品質の安定した原燃料を製造する技術を持つ。国内のセメント向け原燃料の生産量は年15万トンに上るという。
ラムキーグループはインドですでに年50万トンの代替原燃料を供給している。環境部門のマスード・アラム・マリック社長は「私たちの技術は非効率だが、アミタHDの先進技術を使って、供給量を最低でも4〜5倍に増やす」と目標を語った。
アミタHDは17年にマレーシアでリサイクル工場を稼働させ、インドネシアでも事業を検討している。末次貴英社長は「海外ではパートナー企業が重要。ラムキーグループとの連携でアジアで事業展開を加速したい」と話した。両社はシンガポールでも使用済みのシリコンウエハー研磨剤の廃液リサイクルも検討する。
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