住友化学は愛媛県の工場にアクリル樹脂の再資源化の実証設備を持つ

住友化学は22日、自動車向けなどに使われるアクリル樹脂のリサイクル技術のライセンスを米ルーマス・テクノロジー社に供与すると発表した。ルーマスを通じて他の化学メーカーなどへの展開を進める。石油化学関連で製造技術のライセンス供与を増やし、収益の安定化を目指す。

住友化学は分子レベルで分解して化学原料を回収する「ケミカルリサイクル」と呼ばれる手法でアクリル樹脂を熱分解し、原料として再生する技術を持つ。愛媛工場(愛媛県新居浜市)で2022年12月から実証設備も稼働させている。

再生樹脂は従来の化石資源原料から作った場合と品質は同等である一方、二酸化炭素(CO2)の排出量は製造から廃棄までのライフサイクル全体で60%以上削減できるという。リサイクル技術のほか、食品包装材に使われる樹脂などの製造技術もライセンス供与する。ルーマス社への供与期間や金額は非公表。

住友化学はウレタン樹脂原料での製造技術などでも他社にライセンスを供与している。ライセンス事業に強い企業と組むことで幅広く展開し、安定的な収益の確保につなげたい考えだ。

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