大塚HDは新薬開発中止に伴い1000億円の減損を計上する

大塚ホールディングス(HD)は22日、2024年1〜6月期の連結営業利益(国際会計基準)が前年同期比27%減の950億円になりそうだと発表した。従来予想は29%増の1680億円で730億円引き下げ減益に転じる。徘徊(はいかい)など認知症が原因の行動を抑える薬の臨床試験(治験)を中止し、新たに減損損失を約1000億円計上する。

同社は2月、開発中の新薬候補物質「AVP-786」の最終段階の治験について、主要評価項目で目標とする結果を得られなかったと発表していた。アルツハイマー型認知症に伴う徘徊や攻撃的な言動といった「行動障害症状」に対する治療薬として期待されていたが、統計的な有意差が認められなかった。新薬候補物質については合計3件の治験を進めていたが、すべて中止する。

純利益は28%減の740億円となる見込みだ。従来予想は23%増の1260億円で、520億円引き下げる。

売上高にあたる売上収益は前年同期比16%増の1兆1000億円を見込む。従来予想から630億円の上方修正となる。想定為替レートは1ドル=138円から150円に変更した。

24年12月期通期の業績予想は主力医薬品の販売状況や為替の影響を考慮した上で、7月31日の決算発表時に公表する予定。

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